
まとまった時間が取れる夏休みにじっくり読みたい、大ヒット漫画振り返り企画! 本サイトで反響を呼んでいる、キクチさんのコミックエッセイ『父が全裸で倒れてた。』の名エピソードを改めて紹介。親の老いやがん闘病のリアルを、ユーモアたっぷりに描く本作。今回は、せん妄状態から回復した父からの思いがけない「謝罪」に涙する、話題の回を作者へのインタビューとともにお届けします。
※本作は著者の闘病体験を描いたコミックエッセイです。紹介している病状や治療の経過には個人差があり、医学的な見解を代弁するものではありません。気がかりな症状がある場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。




■父のコロナ回復と本格治療への安堵
父親がコロナにかかり、抗がん剤治療をストップしていた期間に腫瘍が大きくなってしまった。しかしコロナから回復し、ようやく本格的な治療が始められるという。
キクチさんは「腫瘍が大きくなっていると聞いたときは不安になりましたが、本格的な治療ができるということは体力も復活してきたということ。ここからがスタートラインだと感じました」と安堵を語る。
■ビデオ通話で見せた「いつもの父」
スマホで文字を打てるまでに容態が安定した父から、ビデオ通話がかかってきた。医師からリンパ腫の悪化を告げられた直後だったが、画面に映った父の姿は「いつもよりむくんだ顔が、余計につぶれた表情を誇張していた」という。
キクチさんは笑いつつも、症状がほとんどなく体力が戻ってきたことから、元気だった頃の父が戻ってきた印象を受けたと振り返る。
■予想外だった「せん妄」の謝罪
実は父親は、自身がせん妄状態だったときのこと断片的に覚えていた。「苦労かけてしまっただろうから申し訳ない」という謝罪の言葉に、キクチさんは胸を打たれたという。
「せん妄は脳の意識障害なので、まさか覚えているとは思いませんでした。今思えば意識がありながらあんなひどいことを言っていたんかい!と突っ込まずにはいられないですが、過ぎ去ったことなので責める気にはなりません。実際、せん妄を振り返って謝ってくれる人なんて稀なのではないでしょうか。すごく私は幸せ者だと思いました」
コロナを乗り越え、いよいよ治療が始まるという希望のなかで不穏な展開を見せる本作。つらい状況も淡々と、時にクスリと笑える場面を交えて描くキクチさんの今後の展開に注目したい。
取材協力:キクチ(@kkc_ayn)
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