暑い時期になると増えてくる熱中症。その症状の一つとして頭痛があります。熱中症で頭痛がある場合は、中等症や重症の場合であり、ときに命に関わることもあります。本記事では、熱中症による頭痛の特徴とほかの病気による頭痛との違いについてわかりやすく解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「熱中症で頭痛」を発症する原因はご存知ですか?対処法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
熱中症による頭痛の特徴とほかの病気による頭痛との違い

熱中症による頭痛にはどのような特徴がありますか?
熱中症による頭痛は、ズキズキ・ガンガンとした痛みと表現される傾向にあります。これは、体内にこもった熱や脱水によって脳への血流が低下するために起こると考えられています。そのほかにも電解質異常や炎症により放出されるサイトカインという物質も頭痛が生じるメカニズムに関与していると考えられています。
深部体温が40度を超えると細胞の変性が起こり、多臓器へと障害をおよぼすといわれています。また、熱中症は一時的な異常で必ず回復する病気ではなく、対応が遅れると後遺症を残しうる危険な病気です。熱中症による頭痛は、身体からの危険サインの一つです。放置せず、早めの対処や受診が大切です。
熱中症で頭痛以外に生じる症状を教えてください
熱中症では頭痛のほかにも、さまざまな症状が現れます。代表的なものには、めまい、吐き気、身体のだるさ、大量の発汗や逆に汗がでなくなるといった症状があります。さらに症状が進行すると、意識がもうろうとする、呼びかけに反応しにくくなる、筋肉の痙攣など、命に関わる重い状態に進むこともあります。
熱中症による頭痛とほかの病気による頭痛はどう違いますか?
熱中症による頭痛と、ほかの病気による頭痛の違いは、原因と症状の現れ方にあります。熱中症は中等症以上で頭痛を認めます。軽症のときには吐き気やめまい、立ちくらみ、筋肉痛などの症状を認めるため、頭痛が生じているときには、これらの症状も伴っていることが多いです。
頭痛をきたすほかの疾患はたくさんありますが、代表的な疾患に、片頭痛やくも膜下出血などがあります。
例えば片頭痛では、嘔気を認める方もいますが、全身症状はあまり見られない傾向にあります。しかし熱中症では、頭痛のほかにも、発熱や筋肉痛などの症状を認め、それが片頭痛とは異なる点です。
また、光や音に過敏になる、特定の予兆(閃輝暗点など)があるといった片頭痛特有の症状も違いになります。
くも膜下出血では何時何分のあの瞬間から痛いといったように、突然の痛みで自覚することが多いですが、熱中症では病態が悪化するなかで徐々に頭痛が生じる点が異なります。
そのほかにも、髄膜炎、脳炎なども頭痛を認める疾患です。
このように頭痛をきたす疾患は多岐にわたります。上記に頭痛をきたすほかの疾患と熱中症の違いの一例として挙げましたが、実際には、頭痛だけで熱中症かどうかを見分けることは難しく、そのほかの症状や状況を踏まえての判断が必要になります。
また、熱中症とは別の疾患になりますが、夏場は汗を多くかくため脱水傾向になりやすく、血液の粘度が高まることで血栓(血の塊)ができやすくなり、脳梗塞のリスクが上昇するといわれています。脳梗塞の初期症状には、軽度の麻痺、めまい、吐き気、ふらつきなどがあり、熱中症の症状と似ているため注意が必要です。呂律が回らない、片方の手足に力が入らない、顔の片側が歪むといった症状が少しでも見られた場合は、脳梗塞を疑い、速やかに医療機関を受診してください。
編集部まとめ

熱中症による頭痛は、脱水・高体温・自律神経の乱れ・全身炎症など複数の要因が重なって起こります。ズキンズキンと痛む頭痛であり、吐き気、倦怠感を伴います。十分な冷却、水分や塩分補給を早急に行うことが大切です。症状が続く場合や改善しないときは、早めに医療機関に受診しましょう。
参考文献
熱中症診療ガイドライン 2024
熱中症による中枢神経系後遺症
- 「熱中症」は”血液検査”の何が分かるかご存じですか?対処法も医師が解説!
──────────── - ”夏”になると「血圧」はどう変動するかご存じですか?注意点も医師が解説!
──────────── - 「脱水」によって”血圧”はどうなるかご存じですか?症状と予防法も医師が解説!
────────────

