
心臓に病気を抱えた夫のことを描いた漫画『危ない夫の心臓』。当時の心境や病状をかわいい画風でわかりやすく伝えており、同じく心臓病を患った人から共感の声が寄せられている。今回は、Instagramやブログでコミックエッセイを発信する作者のやよいかめ(@yayoi_kame)さんに、闘病生活や作品への思いを聞いた。
■病気発見のきっかけに




結婚後、夫の仕事で転勤族になり、維持が困難な陶芸からコミックエッセイの制作へとシフトしたやよいさん。夏休みには絵画教室の講師や出前講座を行うなど幅広く活動している。以前は自身が鼻腔ガンになった経験を描いており、「子育て中は忙しくてすぐ病院に行けない人が多い。発見されず手遅れになったら悲しい」との思いから発信を始めた。「漫画をきっかけに受診したらガンだった」という声が数十人もいて、命を助ける手伝いができるとわかり、夫のことも描くことにしたという。
ご飯を食べられない、体が動かないなどの症状が見られた夫の原因は、心房細動による心不全だった。「まさか心臓が悪いとは思ってもみなかったのでびっくりした。夫の体も心配だが、10日後には引っ越しを控えていたので途方に暮れた」と当時を振り返る。現在は体に負担をかけないよう予定を調整しながら旅行などを楽しんでいるが、「遊園地の乗り物にほとんど乗れなくなってしまったので、一緒に楽しめないのがさみしい」と語る。
■経験談で人の役に立つ
漫画を描き始めて1か月ほどたったころ、「母が同じ症状になり、漫画を読んでいたからこそすぐに救急車を呼べた」というメッセージが届いた。ガンだけでなく心不全の人にも役立ったと実感し、病気の経験談をわかりやすく漫画にすることで人の役に立てると気づいたことがモチベーションになっているという。「描くことで誰かの命が助かるきっかけになるなら、自分の恥ずかしかった闘病生活の部分もネットにさらしてもよいと考えるようになった」と心境の変化を語る。「めんどくさいタイプの理系で頑固」だという夫も、闘病生活の公表には同意しているそうだ。
特に痛かったりつらかったりする治療の話には反響が大きく、「私も痛かった」「血が漏れて大変だった」などと共感の声が集まる。苦しかった経験は普段友人とも共有しにくいため、話せる場所があるのはよいことだと感じているという。
現在は読者の反応を見たり、そのとき感じていた思いを織り交ぜて描いたりしており、完結時期は全くわからないという。今後は読者から募集した「病気になったときに遭遇したすてきなお話」を描く予定で、皆のエピソードを読んで泣いているそうだ。陶芸の豆知識を漫画にする新たな挑戦にも意欲を見せるやよいさんの活動に、今後も注目したい。
取材協力:やよいかめ(@yayoi_kame)
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