主人公の優子さんは、母の「可哀想」という言葉に昔から苦手意識を抱いていました。母は、優子さんには哀みの意味で、弟・ノボルさんには「大事な長男を守りたい」という過保護な意味で“可哀想”を使い続けてきたのです。やがてノボルさんは綾乃さんとの結婚を決意しますが、母は結婚あいさつの場でも、綾乃さんの手土産や学歴に失礼な発言をしてしまいます。さらに、両家顔合わせを前に、綾乃さんの実家への偏見ものぞかせる母。優子さんとノボルさんは、顔合わせに母を参加させない方向で動きますが……。
結婚のあいさつで、わが家を訪れた綾乃さん。綾乃さんは母から失礼な言葉を向けられても、ラップやギャグを交えて明るく対応し、優子さん親子にもあたたかな気遣いを見せてくれました。
一方母は、綾乃さんの人柄を素直に受け止められないまま。両家顔合わせを前に、綾乃さんの実家が広島から来ると知ると、「地方の人は可哀想」と偏見まじりの言葉まで口にします。
母を同席させるのは危ないかもしれない。そう考えて父にも事情を説明した優子さんとノボルさんでしたが、顔合わせ当日、父は約束を守らず、母を連れて駅に現れます。優子さんの不安がふくらむ中、ついに両家の対面が始まって……。
彼女からの思わぬ告白に、母の反応は?
















顔合わせのお店に到着し、母の姿を見たノボルさんは青ざめます。来ないはずの母が同席することになり、優子さんも申し訳なさそうにするしかありませんでした。いざ顔合わせが始まると、綾乃さんの父が高校生のころに他界していることがわかります。すると母は「可哀想に」と涙を流し、進学や就職、結婚式の形にまで勝手な推測を重ねてしまいました。
ノボルさんは慌てて母を止めますが、綾乃さんと綾乃さんのお母さんはポカーンとしてしまい、気まずい沈黙が流れます。恐れていた通りの展開に、ノボルさんは青ざめるのでした。
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相手の家庭の事情を知ったとき、気づかうつもりで言葉をかけたくなることもあるかもしれません。けれど、勝手に苦労を想像したり、お金の話に踏み込んだりすると、相手を傷つけてしまうこともあります。
「可哀想」は、寄り添っているようでいて、相手の人生を一方的に“不幸”と決めつけてしまう恐れもある言葉です。大切なのは、相手が話してくれたことを静かに受け止めること。踏み込みすぎず、敬意を持って向き合う姿勢を大事にしたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター 山野しらす
