ノロウイルス性胃腸炎の前兆や初期症状について
ノロウイルスに感染すると、1〜2日の潜伏期間を経て症状があらわれます。主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛です。発熱が出ることもありますが、軽度のことが多いです。頭痛、筋肉痛、寒気、だるさが現れることもあります。
多くの場合は軽症で、特別な治療をしなくても2〜3日で回復します。しかし、乳幼児や高齢者、体力が落ちている人では嘔吐や下痢により脱水症状を起こす危険があり、注意が必要です。まれに、嘔吐したものをのどに詰まらせて窒息を起こしたり、誤嚥性肺炎になったりする例も報告されています。
ノロウイルス性胃腸炎の検査・診断
ノロウイルスの診断は、主に症状や流行状況から疑います。現在でも人工的に培養することができないため、便を電子顕微鏡で観察し直接ウイルスを確認する方法が行われています。ただし、たくさんのウイルスがいないと見つけにくい点が問題となつています。
最も高い精度でノロウイルスを検出する方法としては遺伝子検査(PCR法)がありますが、専用機器が必要となるためどの施設でも実施できる検査ではありません。
また、便の中のウイルスの目印をとらえて調べる抗原検出キットも開発されています。これにより特殊な機械を必要とせずに迅速で簡単にノロウイルスを検出することができるようになりましたが、ノロウイルスのすべての種類を検出できるわけではないという問題点もあります。

