業績好調企業が仕掛けた「53歳の壁」
今月8日、三菱電機が衝撃的な発表をしました。2025年度の売上高・営業利益が過去最高を記録する中で、53歳以上の正社員と定年後の再雇用者を対象に退職金割増での希望退職を募集すると発表したのです。
実は、上場企業の希望退職募集の6割が黒字企業。会社は元気なのに、なぜ人員削減なのか? 答えは明確です。儲かっているうちに先手を打ちたいから。AI台頭で「今の仕事、本当に人間がやる必要があるのか?」を経営陣が冷静に計算し、次の成長分野への人材シフトを図っているのです。
そして狙い撃ちされたのが53歳以上。これは偶然ではありません。団塊ジュニア世代の51~54歳は人数が多く、国が70歳まで働かせろと言う中、企業にとって今後17年分の人件費負担は重すぎるのが現実です。
もう「会社が守ってくれる」前提で生きるのは危険すぎます。でも慌てる必要はありません。準備さえすれば、この状況を逆手に取れるのです。
黒字リストラの本当の怖さ
パナソニック、オムロン、資生堂、コニカミノルタ、日産…日本を代表する企業が軒並み同じ戦略を取っています。共通点は「業績が悪くなってからでは遅い」という経営判断です。
53歳といえば、まだまだ働き盛り。子どもは大学生、住宅ローンも残っている。なのに会社から「お疲れさまでした」と言われる。
でも、見方を変えてみれば、それなりの退職金割増をもらい、まだ50代前半で第2の人生をスタートできるチャンスでもあるのです。

