
今田美桜が主演を務めるドラマ「クロスロード ~救命救急の約束~」(毎週火曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)の第7話が、8月18日(火)に放送される。
一分一秒を争う救命救急医療の最前線を舞台に、救命医、救急隊員、警察官の若者たちが、それぞれの“正義”を胸に命と向き合う姿を描く今作。
第7話にメインゲストとして登場するのは、堀未央奈。自ら命を絶とうとして救命救急センターに搬送されるモデル・神崎麻里子を演じる。夢に向かって歩んでいた中で、その未来を奪われ、生きる希望を失ってしまった麻里子。堀は「過去一、自分の中でも難しい役」と語る。
WEBザテレビジョンでは堀にインタビューを実施。難役に向き合うために行った役作りや、今田、磯村勇斗との撮影現場でのエピソード、さらに堀自身の人生における“クロスロード”について語ってもらった。
■堀未央奈「過去一、自分の中でも難しい」神崎麻里子役への思い
ーー今作へのゲスト出演が決まったときのお気持ちを教えてください。
ドラマの情報は自分でネットで見ていて、とても面白そうだなと思っていました。
これまで、いろいろな過去があったり、闇を抱えていたりする役をやらせていただくことが多かったのですが、今回の役は本当に過去一、自分の中でもいい意味ですごく難しくて。ちゃんと向き合って演じたいと思う役だったので、このタイミングでこういった役をやらせていただけることはすごくありがたかったです。
何か成長できるように頑張りたいと思って、お話をいただいて挑みました。
ーー麻里子という人物を最初にどのように受け止めましたか?
夢に向かって頑張っていた途中で挫折してしまったところは、私自身が芸能のお仕事をしている中ですごく共感できる部分がありました。
私もやりたいことがあって岐阜から上京し、その中でいろいろと挫折する出来事がありました。でも、麻里子は自分の意思や判断ではなく、一緒にいた人からの加害によって夢を諦めなければいけなくなった。その状況は私自身が経験したことのないものです。
もし自分が麻里子と同じ立場になったときに、本当はどういう気持ちになるのか。それはなってみないと分からない部分でもあるので、できるだけ麻里子に寄り添って演じられるように考え、追い込んで演じました。
ーー台本を最初に読んだときはいかがでしたか?
麻里子は生きることに希望をなくしてしまっているので、そこからどのように物語が進んでいくのか、私も予想がつかないまま読みました。
ですが、病院や救急隊、お医者さんの皆さんが、麻里子が思っていた以上に寄り添ってくれていて。そこは第三者目線でも安心しましたし、「こういうすてきな出会いが事件の前にあったら、もう少し違う人生を歩んでいたのかな」と、違った麻里子の人生まで考えさせられました。
人の気持ちや複雑さ、関係性、伝え方といった繊細な部分が、分かりやすくもあり、ちゃんと複雑に描かれていて、すてきだなと思いました。

■「自分のポジティブさは捨てて」普段はしない役作りも
ーー生きる希望を失った麻里子を演じる上で、大切にしていたことは何ですか?
私は基本的にはポジティブな考え方をするので、そういう自分のポジティブさは、この撮影期間は本当に捨てていました。
もともとはネガティブだったんです。それを変えたいと思って、自分でポジティブな人間に持っていった側なので、そもそもがポジティブなわけではなくて。
なので、昔の経験やつらかったこと、苦しかったことをなるべく思い出して、自分の中でちゃんとリンクさせていました。中途半端な気持ちでせりふを言わないように、麻里子になれるように、ということはすごく意識しましたね。
家でもなるべくテレビを見ず、携帯でもポジティブな動画や面白いものは見ないようにしていました。
ーープライベートも含めて役作りをされていたんですね。
そうですね。普段はあまりしないんですけど、この役に関しては、日常生活の中のワクワク感や楽しさ、明るい部分が少しでも出てしまうと説得力を持たせられない気がして。
台本を何度も読み直して、麻里子がどういう気持ちで人と向き合っていたのか、けがと向き合っていたのかということを常に考えるようにしていました。
ーー過去のつらい記憶を思い返すことは、しんどくはなかったですか?
全てお芝居に生かせているので、しんどくはないです。
あまりメディアなどでは話してこなかったことなので、自分の中にある経験や感情として処理していますし、一つの情報として考えているところもあります。
ーーDVや精神的な支配など、現実にも起こり得る問題が描かれています。演じながら感じたことや、視聴者に届いてほしいことはありますか?
実際に同じような経験をされた方にとっては、人によっては見ることが難しいくらい、麻里子は本当に苦しい状況にいると思います。
でも、その中でも諦めていない部分がすごくあって。演じながら「すごく芯の強い人だな」と思いました。
これだけいろいろな思いをして、とても大変な状況なのに、ずっと真っすぐなんです。最後まで人と向き合うことを諦めない。そこにある麻里子なりの強さや葛藤を、いろいろな方に見てほしいです。
同じ状況ではなくても、物事との向き合い方や頑張り方って、人それぞれ違うと思うんです。麻里子の頑張り方もすごくすてきですし、周りの人に支えられて、人は次に進んでいけるんだということも感じました。

■今田美桜とはMBTIや髪の話を「もっと好きになりました」
ーー撮影現場では、共演者の皆さんとどんなお話をされましたか?
今田美桜さんとは、髪の長さの話をしたり、私がMBTIという性格診断が好きなので、その話をしたりしました。
作品とはあまり関係のない雑談をさせていただいたことで緊張もほぐれましたし、学校で友達と話すような感じでお話できました。すごく気さくですてきな方だなと思って、もっと好きになりました。
ーー髪の長さについては、どんなお話を?
私の髪がすごく長いので、「いつから長いんですか?」みたいなところから始まって。「実は、前はこんなに短かったんです」「エクステを付けたりして、取ったらもっと伸びていて」といった話や、ヘアケアについても話しました。
ーー第7話では、磯村勇斗さん演じる桐生昴とのやりとりも印象的です。撮影で特に心に残っていることはありますか?
麻里子にとって桐生先生はすごく大きな存在なので、磯村さんとのシーンはとても感情が動きました。
演じているという感覚よりも、麻里子として自然に感情が動いたんです。磯村さん演じる桐生先生が、桐生先生としても、磯村さんご自身としても、しっかり私と向き合ってくださったように感じました。
実際に私がこのドラマの世界に入って体験しているような感覚があって、すごく印象的でした。
ーー磯村さんとは撮影の合間にお話もされましたか?
そんなにお話しする機会は多くなかったのですが、2人とも結構マイペースで、まったりしているところはちょっと似ているなと思いました(笑)。
すごく空気感を上手に作ってくださる方だなと思いました。
ーーお芝居の面ではいかがでしたか?
麻里子は感情が高ぶって泣いてしまうこともあるんですけど、そういうところへの配慮もしてくださって、とてもお芝居がしやすかったです。
磯村さんはずっと全力でやってくださる方で、お芝居に対する熱量もすごく高い。そういう方のお芝居を近くで見ることができたのは、とても勉強になりましたし、演じていて楽しかったです。
ーー麻里子はマスクを着けている場面もあり、表情が隠れた状態で感情を伝える難しさもあったのではないですか?
今までにないパターンだったので、すごく考えました。
私がお芝居で大切にしているのは、言葉の言い方や抑揚ももちろんですけど、やっぱり“目”なんです。究極、せりふがなくても伝わらないといけないと思っていて。
表情の中でも、目で訴えたり、悲しい、うれしいといった感情を伝えられる人になりたいと思って、ずっとお芝居を勉強してきました。今回は、それをちゃんとお芝居としてできる機会だと思って、楽しんで演じることができました。

■落ち込んだときはホラー映画「ゾンビしかいない世界じゃないだけまだマシ」
ーー麻里子が少しずつ前を向いていく姿も描かれます。堀さんご自身が落ち込んだとき、気持ちを切り替えるためにしていることはありますか?
私はホラー映画を見ることをまずマストにしています。
この間、ニュースで「ホラー映画を見るとネガティブな感情が減る」というようなことを見ました。それは知らなかったのですが、何となくそんな予感がして小さい頃から見ていました(笑)。
ホラー映画って、自分の現実とは違う世界で、かなりハードなことが起こるじゃないですか。それを見ると、「自分の悩みってまだ大丈夫だな」「ゾンビしかいない世界じゃないだけまだマシだな」と思えるんです(笑)。
極端ですし、「そんなんでそう思えるの?」と思う方もいるかもしれないですけど、私は単純にホラー映画を見てちょっと楽になることがたくさんあったので、季節を問わず年中見ています。
■堀未央奈の“クロスロード”「16歳のときに乃木坂46のオーディションに受かったこと」
ーー作品のタイトルにちなみ、これまでの人生で「ここが自分にとってのクロスロードだった」と思う出来事を教えてください。
いくつかあるんですけど、一番大きなものでいうと、16歳のときに乃木坂46のオーディションに受かったことです。
家族に相談せずに応募して、大阪の二次審査も「大阪に遊びに行ってくる」と言って出かけて(笑)。三次審査でようやく言わなきゃいけなくなって母親に話したら「ダメ」と言われたんですけど、そこで一生懸命説得して、最終的にはついてきてもらいました。
合格した次の日には、母親と学校へ「辞めます」と言いに行きました。本当はそんなにすぐ辞めなくてもよかったみたいで(笑)。研究生だったので、レッスンに通えばよかったみたいなんですけど、応募条件に「上京できる方」と書いてあったので、私は「受かったらもう上京するんだ」と思っていて。
0か100みたいな性格なので、「受かった。じゃあ明日学校を辞めなきゃ」って(笑)。
今考えると、16歳で結構自由にいろいろなことを決めていたなと思います。でも、あのときの行動があったから今があるので、すごく大事なポイントだったと思います。
ーー芸能のお仕事を始めてから、もう一つ挙げるとしたら?
初めて主演映画を撮影したときです。MV撮影を通して山戸結希監督と出会って、見つけていただいて、お声掛けいただいて。そこから映画を撮影した経験が、本格的にお芝居に興味を持ったタイミングでした。
それまでもMVや個人PVなどで、お芝居のようなことをやらせていただく機会はあったのですが、お芝居の世界に対する気持ちも経験も、まだ曖昧だったんです。
監督と出会って映画を撮影した経験はすごく印象的でしたし、監督との出会いも大きかった。乃木坂46を卒業したタイミングよりも、そこの方が「もう一個違う自分が生まれた」という感覚があります。
ーー最後に、第7話の見どころをお願いします。
麻里子は、自分が目指していた夢がしっかりあったけれど、挫折することになってしまう。本当にしんどい内容ではありますが、その中でも諦めない姿があります。
そして、周りの方たちが本当に麻里子に対して真摯に向き合ってくれるんです。麻里子を演じた私自身もそうですし、たとえ演じていなくて一視聴者として見ていたとしても、心が動くしかないような温かい人たちに囲まれていて。麻里子と病院の皆さんとの関係性ややりとりをぜひ見てもらいたいです。
何かあっても誰かを支えようと思う気持ちや、支えてもらっていることに応えようとする気持ちは、簡単なことではないけれど、すごく大事なことだと思います。そういったことが丁寧に描かれている作品なので、たくさんの方に見ていただきたいです。
◆取材・文=白瀬あめり


