かばのきさんは、娘のこつぶちゃんを育てながら不妊治療に通っています。そして、人工授精の末、待望の第2子を授かりました。
しかし、ある日の妊婦健診で医師から、染色体異常のリスクがあることを告げられます。
初期胎児ドックという検査の結果、先天性異常の可能性を指摘され、より正確な診断が可能な絨毛検査(じゅうもうけんさ)を強く勧められますが、その検査の前におなかの赤ちゃんの心拍が停止していることが判明しました。
かばのきさんは安堵と悲しみの狭間で揺れながらも、後日、分娩処置のために入院します。
激しい痛みを伴う前処置を乗り越え、ついに対面を果たしたわが子。
かばのきさんは、病院を訪れた夫とこつぶちゃんとともに、4人で穏やかな家族団らんを過ごすのでした。
※初期胎児ドック…胎児に染色体異常の可能性やその他の身体的疾患がないか調べるためのより精密な超音波検査。
※絨毛検査…胎盤の一部である絨毛を採取して、胎児の染色体や遺伝子の状態を調べる検査。
※不妊治療、死産についての表現があります。苦手な方は閲覧をお控えください。また、医療行為や症状については専門家にお尋ねください。
死産したわが子と二人きりの時間








こつぶちゃんと夫が帰ったあと、かばのきさんは赤ちゃんと2人の時間を過ごします。
いろいろな話をして、用意したものを棺の中に並べていくなかで、ふと赤ちゃんの名前が思い浮かび、「ーーーくん」と名前を口にします。
そして退院の日、母と娘に迎えられ、笑顔になるかばのきさん。
つらい悲しみを抱えながらも、家族はそれぞれ日常を取り戻そうとするのでした。
▼家族団らんとは別に、赤ちゃんと2人きりで過ごせたのも、大切な時間だったと振り返るかばのきさん。短い時間だったけれどたくさんの話ができたそうです。
限られた時間のなかで、母子だけの二度とない時を持てたことは、かばのきさんの心の支えにもなったことでしょう。
人は時として、受け入れがたい厳しい現実に直面することがあります。そんな時、家族と過ごすいつも通りの日常が、心を支えてくれることがあります。かばのきさんには、少しずつ心の傷を癒していってほしいですね。
次の話を読む →※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
※副葬品について:基本的に「燃焼の妨げになるもの」「遺骨を損なうもの」「火葬炉を傷めるもの」は入れてはいけないとされています。地域や火葬場の規定によって細かく異なるため、実際には葬儀社や火葬場に確認してください。
監修者:助産師 関根直子筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。
著者:マンガ家・イラストレーター かばのき
