「よく転ぶ」原因は何かご存じですか?大人・子供で考えられる病気を医師が解説!

「よく転ぶ」原因は何かご存じですか?大人・子供で考えられる病気を医師が解説!

「よく転ぶ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「よく転ぶ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

パーキンソン病

手足の震えや筋肉のこわばり、動作の遅れなどが特徴の神経変性疾患です。歩行が小刻みになり、姿勢の反射が低下して転倒しやすくなります。進行とともに日常動作も困難になるため、早期診断と薬物療法・リハビリの組み合わせが重要です。

脊髄小脳変性症(SCD)

小脳や脊髄の変性により、バランスを取る機能や運動の調整が障害され、ふらつきや転倒が目立ちます。歩行障害や構音障害が徐々に進行するのが特徴です。原因は多様で、現時点で根治療法はなく、リハビリや症状緩和治療が中心です。

進行性核上性麻痺

後ろ向きに転ぶことが多く、特に階段での転倒が多いとされます。目の上下運動障害や体幹の硬直を伴います。50代以降に発症し、パーキンソン病と似ていますが薬の効きが乏しい点などで異なります。診断には神経学的所見やMRIが用いられます。根本的な治療法はまだなく、リハビリや転倒予防対策が重要となります。

脳卒中

脳の血管が詰まる脳梗塞や破れる脳出血により、片麻痺や感覚障害、ふらつきが起こり転倒につながります。症状が現れた場合には救急受診が必須です。発症後はリハビリで機能回復を目指します。再発予防として生活習慣病の管理も欠かせません。

認知症

注意力や判断力、空間認知の低下で段差や障害物に気付きにくくなり、転倒が増えます。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などタイプによって症状が異なり、歩行のぎこちなさやふらつきが見られることもあります。対策を早めにとることが、本人ならびに周囲の方にとっても大切です。そのため、早期診断が重要となります。

骨粗しょう症

骨量の減少で骨がもろくなり、軽い転倒でも骨折しやすくなります。特に大腿骨頚部や脊椎の骨折は寝たきりの原因となりやすいです。骨密度検査による診断と、薬物療法・栄養管理・運動による予防が大切です。カルシウムやビタミンDを豊富に含む食材を積極的にとることがすすめられます。

フレイル

加齢に伴う筋力や体力、認知機能の低下を含む虚弱状態で、転倒・骨折リスクが高まります。低栄養や運動不足が要因となりやすく、バランス訓練や筋トレ、十分なタンパク質摂取で予防・改善を目指します。

ロコモティブシンドローム

運動器(骨・関節・筋肉)の機能低下で、立つ・歩くなどの移動能力が衰える状態です。歩行中のふらつきや段差でのつまずきが増えます。ロコモ度テストで判定でき、ロコトレなどの運動が改善に役立ちます。

起立性低血圧

急に立ち上がったとき血圧が一時的に下がり、めまいやふらつきで転倒することがあります。高齢者や降圧薬服用者に多く、脱水や自律神経障害も原因となります。ゆっくり立ち上がる習慣や服薬調整で予防します。

発達性協調運動障害

子どもに多く、手足の動きを滑らかに協調させることが難しい発達特性です。走る・跳ぶ・階段を降りる動作が苦手で、転びやすさや不器用さが目立ちます。作業療法や学校での運動サポートが有効です。

「よく転ぶ・転倒しやすい」ときの正しい対策や運動習慣とは?

よく転ぶときは、転びにくくなるような生活の工夫をしてみましょう。

日常生活で対策できることはあるか?

足に合わない靴は、転倒のリスクを高めます。また、滑りやすい床なども特に高齢者の場合には転びやすくなる要因となります。住環境などを整えることも大切です。たくさんの薬を飲んでいる方は、睡眠薬などが転倒の原因となっていることもあるため、主治医に相談してみるようにしましょう。

運動習慣は何を行えばよいか?

転倒予防のためには、バランス感覚を鍛え、筋力を保つことが重要です。片脚立ちやスクワット、軽い筋トレなど、運動習慣をもつようにすることも転倒予防対策となります。

配信元: Medical DOC

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