山本耕史、全編英語の「フル・モンティ」で主演「何回かくじけました」大量のセリフに“1人通し稽古”も

山本耕史、全編英語の「フル・モンティ」で主演「何回かくじけました」大量のセリフに“1人通し稽古”も

「フル・モンティ」ゲネプロ取材会に登場した山本耕史
「フル・モンティ」ゲネプロ取材会に登場した山本耕史 / 撮影:中山凪桜

山本耕史とゆりやんレトリィバァが、8月18日に都内で開催された日米合作ブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」ゲネプロ取材会に登場。演出を手掛けるトレイ・エレットと共に囲み取材に応じ、全編英語のミュージカルに挑む上で苦労したことなどを語った。

■傑作コメディー・ミュージカルが日米合作で新たに上演

本作は、1997年に公開されたイギリス映画「フル・モンティ」(ディズニープラスで配信中)を原作にアメリカで誕生したブロードウェイミュージカル。「トニー賞」では作品賞を含む9部門にノミネートされた、男たちの友情と再生の物語だ。このほど日米合同制作として新たに生まれ変わり、全編英語(日本語字幕付き)、生演奏で上演される。山本は主人公のジェリー・ルコウスキー、ゆりやんはジョージー・ブカティンスキーを演じる。

同じく日米合作・全編英語で、2024年に上演された「RENT」でも山本とタッグを組んだエレットは「『RENT』で初めてご一緒したとき、この山本耕史という人物ともう一度何かでご一緒したいと思っていました」と述懐。

その上で、今回再び山本とタッグを組んだ理由について「自分が好きな作品ということもそうですが、ジェリー役は耕史さんの父親像、夫像、全てにおいてピッタリだなと。歌も踊りも必要なので、もう彼しかいないと思いました」と明かした。

それを受け、山本は「『RENT』が終わった後に、トレイからメールで『また何かやろうね』ときて、それはうれしいなと思いました」と笑顔を見せ、「実は『RENT』の半年後くらいに『(本作の上演を)どうだ?』って言われて。それはさすがに無理じゃないかって(笑)。仕事もあったので、すぐにはできなかったですけど、どんどん具体的になっていって、『これは形になるかもしれないな』と。チャレンジングですけど、安心できる演出家なので、トレイに委ねてみようと思いました。この話を頂いたときはうれしかったです」と振り返った。

また、「父親像、夫像、全てにおいてピッタリ」と評されたことを踏まえ、自身はどういう父親で、夫なのかと聞かれると、山本は「自分で言うのもなんですけど、すごく優しいと思います。子どもにも、奥さんにも」と照れ笑いしつつ、「ジェリーという役は失業して混乱の中にいますけど、子どもを大切にする思いとか、奥さんとは離婚していますけど、人とのつながりをすごく大事にする、という意味では僕も大事にしているものが同じ。すごく共感する部分があります」と役柄への共感を示し、「『RENT』のときに見ていてくれたんだなと思って、うれしかったですね」と喜びを語った。

■山本、初共演のゆりやんは「ものすごく控えめな、かわいらしい方」

ゆりやんはこれがミュージカル作品初出演で、山本とは初共演となる。ゆりやんの印象について、山本は「テレビでももちろん見ていたし、海外で活躍しているのも知っていたから、ジョージーという役にゆりやんちゃんの名前が挙がったとき、『なるほどな』と。すごく面白くて、ピッタリなキャスティングだなと思いました」とした上で、「でも、お会いしたらものすごく控えめな、かわいらしい方で(笑)。日米合作ですが、“日”が限りなく少ない中で、日本語で話し合える唯一の仲間というか。すごく助かっています」と信頼を寄せた。

一方、ゆりやんは山本の言葉に「イェイイェイイェイ」とピースサインを作って喜び、彼の印象を「お会いしたことがなかったんですけど、すごくパッションのある方だと勝手に思っていて。勝手なイメージですが、お稽古場で『昨日言っただろ!』とか『昨日のことをやってないじゃないか!』とか、なったらどうしようってドキドキしていたんですけど、全くそんなことはなくて、本当に優しいです(笑)」と、心配は杞憂に終わったことを打ち明けた。

続けて「ミュージカル自体が初めてなので、お芝居も歌もダンスも全部あって英語でやるということに対して不安ばかりだったんですけど、耕史さんに聞いたらいろいろ教えてくださって、心強い気持ちでした。筋トレもめっちゃすごいですし、耕史さんとご一緒させていただけて本当に感謝しています。一生ついていきます」と宣言した後、「帰り道、ついていきます」と付け加え、一同を笑わせた。
ゆりやんレトリィバァ
ゆりやんレトリィバァ / 撮影:中山凪桜


■ゆりやん「LAに住んでいるんですけど、出身は“NYC”なんですよ」

そんな中、本作は全編英語のミュージカルということで、英語力についての話題に。稽古場では常に英語が飛び交っていたそうだが、ゆりやんは身振り手振りを交えながら「分かっていなくても、『YES』って言っとく」と処世術を明かすと、エレットは思わず吹き出す。

山本は「何となく分からなかったことは後で聞くために覚えておいて、なるべく稽古の流れを遮らないようにしていました」と明かし、「トレイは演者でもあるから実際にやってくれるので分かるんです。『こう動いて』とか、声のトーンとか。分かんないことがほとんどなかった感じです」と、俳優としても舞台経験豊富なエレットとの稽古期間を回顧した。

さらに、英語はどちらのほうが堪能なのか、という質問に、山本は「もちろんゆりやんちゃん」と即答すると、ゆりやんは大げさにため息をついた後、「Your English is amazing!」と英語で返し、「私はLAに住んでいるんですけど、出身は“NYC”なんですよ。奈良県吉野町なんで……言わすな!」とボケ倒した。

あらためて、ゆりやんは「全編英語で、私ももちろん英語なんですけど、セリフ量が比にならないくらい耕史さんはあって。ほとんどずっと出てらっしゃるんで、それを全部英語でやられていて、尊敬しています」と敬意を伝えると、山本は「『RENT』の10倍くらい大変です。『RENT』はある程度知っていた上での演技でしたけど、今回は全く知らない作品。言ったことのないセリフを1からやって、台本を開くたびに大量のセリフがくるから、何回かくじけましたね。1人でやっているとき」と、大変な挑戦だったことをうかがわせた。

大量のセリフを覚えるために試行錯誤したそうで、山本は「“1人通し稽古”もやりました。半年はいかないけど、結構な期間、運動しながら。1人で通すと大体1時間くらいで終わるんですよ。それを毎日やりました。逆にそれが言い慣れ過ぎちゃって、『そこをこうやって直して』って言われたのが直せなかったこともあって、大変でした」と、苦労を明かした。

そんな2人の英語について、エレットは「僕の日本語より上手でした」とほほ笑み、「とてもお上手で感心させられっぱなしでした。毎日非常に努力していますし、いろいろな方とご一緒していますけど、一番努力している方々なんじゃないかなと思います。発音もしかり、歌もしかり、非常に食らいついて頑張っております」と称賛した。

「フル・モンティ」は、8月19日(水)~9月7日(月)に東京・東京国際フォーラム ホールC、9月10日(木)~14日(月)に大阪・新歌舞伎座にて上演される。

◆取材・文=月島勝利(STABLENT)


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