コミックエッセイ『しんどい母が、嫌いで好きで。』は、忍者ママさんのお母さんについて描いた作品。「毒親」の一言では語れない関係性を、明るいタッチでお届けする。
今回は、忍者ママさんの母「えっちゃん」の幼少期について。孫であり原作担当のそうちさんが「おばあちゃんの人生ってどんなだったの?」と聞いたところ、「私の人生は本当に壮絶よ?」と前置きしたうえで語り始める…。




■幼少期の経験は、人格形成に影響を及ぼす
まずはえっちゃんの人生を漫画にしようと思った理由を聞いてみた。
「母は、よくも悪くもとても変わっています。母が変わっている理由はその人生にあると思います。母の人生経験を見ていただいて、その人の過去が人格形成にどうつながっているのか読者の皆さんに考えてほしく、母の過去を描きました。あと、シンプルに波乱万丈でおもしろいと思ったからです(笑)」
物心ついたときから「母は私を嫌っている」と感じていたえっちゃん。それを知った忍者ママさんは、どのように感じたのだろう。
「母は、自分の母親が嫌いで、好きで、そしてやっぱり嫌いで。それでも母親のいちごさんが死んだときに泣いていました。どれだけ嫌っても、気持ちが揺さぶられたのでしょう。やはり子どもと母親には、切り離せないつながりがあります。それ故、母を求める幼少期に母から愛されなかったのはとても可哀想だとも思います」



幼少期に母から愛されなかった経験は、えっちゃんの性格や価値観に何かしら影響を及ぼしているのだろうか。
「ネグレクトに近い幼少期のせいで、どこまで子どもを愛していいか、どこまで子どもを束縛していいか、理解できなかったのだと思います。女性は自分が物理的に子どもを産みますから、子ども=所有物という勘違いに陥りがちです。普通はそこの線引きを自分の子ども時代の経験から学ぶのだと思いますが、母にはその経験がなかったので、娘である私たち三姉妹への接し方が少しおかしいのでしょう」


「全体的に重いテーマを扱っていますが、かるーく、そして、笑って読んでいただければうれしいです」と笑う忍者ママさん。複雑な思いを抱きつつも嫌いになれないお母さんとの関係や、そんなお母さんの幼少期を赤裸々に描いた漫画を、今後も楽しみにしてほしい。
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