
小池栄子が主演を務めるドラマ「さよならノワール」(毎週火曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FODほかにて配信)の第7話が8月18日に放送された。人との距離感がおかしいことがあると自覚する絵梨子(北香那)。犯罪被害者支援室のメンバーとして成長してきたが、今回はその“距離”で失敗してしまった。(以下、ネタバレを含みます)
■犯罪被害者支援室に焦点をあてた警察ヒューマンドラマ
本作は、警察の「犯罪被害者支援室」にスポットを当て、犯罪被害者や遺族らが再び人生の歩みを進めることができるように寄り添い、初動としての支援をしていく警察ヒューマンドラマ。
主演の小池は、元暴力団対策係の刑事で、ある事件を機に新設された犯罪被害者支援室に異動になった黒木夏海を演じる。その夏海の相棒となる、犯罪被害者支援室に派遣の支援員としてやって来た心理学者の白石絵梨子役を北香那が務める。
被害者に対等かつ親身に寄り添うことができる夏海に対し、知識はあるがうまく被害者とコミュニケーションをとることができない絵梨子。異なる人生を歩んできた女性2人が互いを助け、足りない部分を補いながら犯罪被害者たちを癒していく。
■夏海と絵梨子は美人局の被害にあった高校教師を支援
夏海たちは、美人局の被害にあった高校教師・岩田(三河悠冴)を支援することになった。岩田は、マッチングアプリで出会った女性に送った動画が元で、1年にわたって約1000万円もの大金を脅し取られ、さらなる要求を拒んだことで女性の知人から暴力を受けたという。現在の岩田は話せなくなっており、医師の診断では心因性の可能性が高いとのことだった。
容疑者たちが容疑や関与を否認している状況で、刑事課長の桑原(荒川良々)は、捜査を進めるためにも夏海たちのケアで岩田が口を開いてくれることを期待。それに対し夏海は「私たちの仕事は被害者のサポートです。捜査のためには動きません」ときっぱり言い、自宅で療養しているという岩田の元へ向かった。
最初は夏海や絵梨子に対しても言葉を発しなかった岩田だが、うなずくなどの意思表示はした。絵梨子は生物教師の岩田が大切に育てている花の名前を聞くなどして少しずつ距離を測り、刑事の中谷(味方良介)や鴨居(岡山天音)の聞き取りで緊張や戸惑いを見せると、「岩田さんを守るのが私の仕事なので」との言葉どおりにサポートしていく。
そして、2人1組での支援が鉄則だが、絵梨子は「1対1のほうが構えずに済むと思うんです」と自分1人での話し合いを申し出た。岩田もうなずいて了承したことから、夏海は任せることにした。
■夏海は絵梨子に対する支援者の「陽性転移」を心配する
その報告を受けた支援室メンバーの臨床心理士・貴子(戸田恵子)は、医師やカウンセラーに対して恋愛のような気持ちを抱く「陽性転移」を心配した。夏海はそれを絵梨子に告げて、次からは2人体制に戻ると提案するが、絵梨子は「私は心理職です。プロです。そんな初歩的なミスはしません」と1人で続行した。
しかし、夏海たちの心配が的中してしまう。
岩田は絵梨子に心を許して発話するようになり、恐喝のもとになった動画がプロポーズしたものだったとも明かした。そして「騙されたことがかっこ悪いから黙っていたわけじゃありません。もう何をしゃべっても誰にも何も伝わらない気がして、声を出すのが怖かった。失敗を取り戻せる日は来ない気がして」と話した。
そんな岩田に「今、大切なのは、これから先に目を向けることです」と語った絵梨子。岩田は動画と脅迫のやり取りが残っているスマホを絵梨子に託した。そして、生徒が興味を持ってくれなかった生物の話を嬉々として聞いてくれる絵梨子に休みの日に展示会へ2人で行かないかと誘った。
戸惑いながら絵梨子が支援員だからプライベートでは会えないと答えると、岩田は「結局は仕事ですよね」と、再び心を閉ざしてしまった。
■夏海と絵梨子のバディ感と最後のメッセージに視聴者感動
動画の提供と引き換えに岩田を傷つけてしまったと落ち込む絵梨子。人の痛みが分からないことを補うために心理学を専攻した絵梨子だったが、「相手からしたら迷惑ですよね」と言う。
そんな絵梨子に夏海は、岩田が心を開いたのは「ダメなところがあったからじゃない?完璧さは傷ついた人を息苦しくさせるから」と語った。それは、かつて絵梨子が夏海に向けた言葉だった。
「プロでしょ、落ち込むのは後にして」と夏海は絵梨子を奮い立たせ、絵梨子は動画を鴨居に渡し、事件は解決へ向かった。
支援するのも支援されるのも“人”。誰一人として同じ人はいないから、支援もルールはあっても、その方法はいつも同じではない。そして支援するという心の距離は難しい。夏海は、絵梨子のことをまだ認めてはいないが、「信じてはいる」と貴子に打ち明けていた。支援者に親身に寄り添う夏海は、自分とはまた違うアプローチで頑張る絵梨子の成長も見守る。その温かさが今回も伝わってきた。
ラストで夏海が見守る中、あらためて2人で話した絵梨子と岩田。「生物学によれば、失敗できるのは人間だけだそうですね」と絵梨子が言うと、「それはちょっとだけ違います」と岩田。そして「人間以外の生物は、失敗イコール死に直結するんです。狩りや逃走に失敗したら終わり。人間だけが落ち込んだり、泣き暮らすことができる。そしてまた、生き続けることも…」と続けた。
失敗しても前に進める。そんな深いメッセージも心に響いた。視聴者からは「黒木と白石の絆の深さも感じられてよかった」「ちゃんとバディになってきたな~」との声とともに、「失敗できるのは人間だけってなんだかすごく刺さる」「失敗しても、それで終わりではないというメッセージが心地よいエピソード」「このドラマらしい、すごく素敵なメッセージだった」という感想も寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

