主人公の優子さんは、母が口にする「可哀想」という言葉に、子どものころから苦しさを感じてきました。母は優子さんを哀れむように“可哀想”と言う一方、弟・ノボルさんには「大切な長男だから苦労させたくない」と、過保護な思いを込めて“可哀想”という言葉を使っていたのです。そんな母に危機感を覚え、早くから自立していったノボルさんは、やがて綾乃さんとの結婚を決意。しかし母は、綾乃さんとの結婚あいさつや両家顔合わせの場でも思い込みによる失礼発言を連発し……。
綾乃さんは、結婚あいさつの場で母から失礼な言葉を向けられても、明るいユーモアと気遣いで空気を変えてくれる人でした。優子さんはその人柄に安心感を覚えますが、母は綾乃さんを良く思えないままです。
両家顔合わせでも、母は綾乃さんの父が他界していると知ると、「可哀想」と涙を流し、進学や結婚式を金銭的な事情と勝手に結びつけてしまいます。しかし実際には、綾乃さんの実家は代々お菓子会社を経営しており、お金に困ったことはなかったのです。
思わぬ事実に母が言葉を失う中、綾乃さんのお母さんは、母の「支援します」という発言を受けて、リゾートウエディングをめぐるある提案をして……。
「ありえない!」彼女の母からの提案に絶句














綾乃さんの実家がお金に困っていないとわかり、お金をめぐる話がひと段落したかに見えたところで、綾乃さんのお母さんはリゾートウエディングについて話し始めます。そして、挙式前の移動で疲れたら可哀想だからと、ファーストクラスで行かせてあげようと提案。さらに、母が「支援します」と言ってくれたのだから、飛行機代くらいお願いしたいと話します。
母が恐る恐る金額を尋ねると、ハワイなら往復100万円ほど見ておけばいいとのこと。
「飛行機代だけで100万円なんてありえない!」と、母は内心大慌てするのでした。
◇ ◇ ◇
相手の事情をよく知らないまま「可哀想」「支援してあげる」と話を進めてしまうと、善意のつもりでも、自分の価値観を押しつけてしまうことがあります。本当に必要な支援は、こちらが一方的に決めるものではなく、相手が何を望んでいるのかを確かめてこそ見えてくるものなのかもしれません。
一方で、親として大切な子どもに少しでも良い経験をさせたい、できる限りのことをしてあげたいと思う気持ちも自然なものです。ただ、お金が関わる話はとてもデリケートで、相手の家庭がどこまで負担できるのか、負担する意思があるのかによって受け止め方も変わります。
善意や親心があるからこそ、相手の気持ちや事情を置き去りにしないことが大切です。親同士だけで先に進めるのではなく、まずは本人たちの希望を聞きながら、無理のない形を一緒に考えていきたいですね。

