佐藤アイさんは、夫と2歳の息子・レン君、義母の4人暮らし。初めての子育てに奮闘しながら、レン君を育てています。
レン君は、些細なことで癇癪を起こして泣き喚く、いわゆる「イヤイヤ期」の真っただ中。アイさんは穏やかな育児を心がけていますが、義母から「レン君を甘やかしすぎ」と「叱らない育児」を批判され、落ち込んでしまいます。
そんななか、スーパーでレン君が見知らぬ女の子のカートを奪おうとして大騒ぎに。周囲の視線に耐えられず、逃げるように店を後にしました。帰り道では感情的に怒鳴ってしまい後悔しますが、今後は厳しくしつけようと決意します。
翌朝、睡眠不足のアイさんを待っていたのは、レン君の癇癪。「おなかが空いた!」とぐずるレン君に「5分くらい待てないの?」と言うと、さらに声を荒らげます。アイさんはいつもより強い口調で注意し、レン君が悔しそうに黙る姿を見て「私って今までレンに甘過ぎたのかな……」と反省。
身支度を整えてキッチンへ向かうと、義母はすでに朝食の準備中。しかし、レン君がカップを倒し、朝食が台無しになってしまいます。ため息を漏らす義母を見て、アイさんはついに……。
追い詰められた母。ついに一線を越えて…













反省する様子のないレン君に、アイさんはとうとう手を上げてしまいました。大泣きするレン君を前に、「これは暴力じゃない」「子どもをしつけるのは親の役目」と自分に言い聞かせるアイさん。
そんな姿を見た義母は、「やっと母親らしくなってきたわね」と笑顔を見せます。レン君を叩いた手のひらがジンジンと痛むなか、アイさんは「これで良いんだ」と自分を納得させるのでした。
◇ ◇ ◇
義母から「子どもをしっかりしつけるのが親の役目」というプレッシャーを受け、アイさんは、自分の子育て方針と義母の考えとの間で苦しんでいるようにも感じます。特に、子どもをたたいてしまったあとの罪悪感は、とても大きかったのではないでしょうか。
子どもを叩いたり、恐怖心を与えて言うことを聞かせたりすることは、「しつけ」とは異なります。大切なのは、体罰で行動を抑えるのではなく、「なぜしてはいけないのか」「どうすればよかったのか」を、子どもの年齢や理解度に合わせて伝えていくこと。感情的になりそうなときには、ひとりで抱え込まず、周囲や専門機関を頼ることも大切です。
また、義母など身近な人との子育て方針の違いに悩んでいる方も多いと思います。そうした悩みについても、専門機関などに相談することで、自分がどのような子育てをしたいのか、考えを整理するきっかけになるかもしれません。
こども家庭庁では、子育てや親子関係について保護者も相談できる「親子のための相談LINE」を設けています。必要に応じてこうした相談先も活用しながら、子どもの気持ちにも寄り添い、伝えるべきことを根気強く伝えていきたいですね。
監修:塩﨑尚美先生(臨床心理士)日本女子大学 人間社会学部 心理学科 教授
著者:マンガ家・イラストレーター 桃津もっち 監修者:臨床心理士 日本女子大学 人間社会学部 心理学科 教授(臨床心理士・公認心理師) 塩﨑 尚美
