妊娠中の夏美さんは、夫・冬彦さんと赤ちゃんの性別を義両親へ報告。しかし、女の子だとわかると義両親は「男の子以外どうでもいい」「次は男の子を産んで」と跡継ぎへの考えを押し付けます。
帰りの車内で、赤ちゃんの名付けを夏美さんに任せようとした冬彦さん。結局自分も考えると約束しますが、冬彦さんは白紙のノートを出しました。
夏美さんが何とか説得し、再び話し合う日を迎えますが、冬彦さんは朝から会社の人と通話をしながらオンラインゲームに夢中です。
呆れた夏美さんが冬彦さんの名付けノートを探し出すと、名前の候補は書かれていません。夏美さんは、冬彦さんに詰め寄りますが、「え、考えたよ?」という返答にショックを受け、涙を流します。
冬彦さんは「ごめん! これからは夏美に時間を作るよ!」と論点がズレた謝罪をします。自分ではなく赤ちゃんに時間を作ってほしかった夏美さんは、失望。「あなたにはがっかりした」と部屋を出て行きました。
戸惑う冬彦さんは、「もしかして、名前の候補を一つも書けてない俺のノート、黙って見たんじゃないの……?」と不安がよぎります。そして、オンラインゲームをやめ夏美さんのもとへ向かいます。
布団の中を見た夫は思わず驚愕…













「子どもの名前のこと、ちゃんと話したい」と寝室に向かった冬彦さん。
中に入ると、夏美さんは布団にくるまっています。
「忘れてたわけじゃない。みんなとのゲームはずっと前から約束してた」
「夕方から話そうと思ってた」
「夏美には負けるけど、俺も赤ちゃんすごい楽しみなんだよ」
冬彦さんは言い訳を交えながら、なんとか話を聞いてもらおうとしますが、返事はありません。
「泣いてるの?」と言って布団をめくると、そこに夏美さんの姿はありませんでした。
驚いた冬彦さん。その直後、玄関のドアが閉まる音が響くのでした。
▼とうとう夏美さんは家を出て行ってしまいました。積み重なった「後で」「あと少し」が、相手の期待や信頼を少しずつ削り、気づいたときには取り返しのつかない距離になってしまうことがあります。
大切な人が勇気を出して向き合おうとしてくれたタイミングは、一度逃すと二度と同じ形では戻ってきません。忙しさや自分の都合を優先するのではなく、その瞬間の思いに真剣に応えることこそが、信頼関係を築き続ける第一歩。相手の「今、話したい」という気持ちを大切にする姿勢が、すれ違いを防ぐ何よりの鍵なのかもしれません。
著者:マンガ家・イラストレーター ツムママ
