
1996年に放送された、内田有紀の主演作「翼をください!」(フジテレビ系)が、現在FODで配信中だ。奄美の高校を卒業する主人公・川辺籐子(内田)が、芸能プロダクションの社長・澤木広志(佐藤浩市)を訪ねるところから始まる物語。籐子は華やかな芸能界を夢見る明朗な女性というイメージからは遠く、寡黙で影がある。笑顔こそないが人を引きつける圧倒的オーラを放つ籐子がなぜ上京してきたのか、その理由が明かされる第1・2話を紹介する。(以下、ネタバレが含まれます)
■「ラストノート」内田有紀による30年前の主演作
ドラマ「翼をください!」は、坂元裕二脚本で芸能界に飛び込んだ主人公の成功と厳しい現実、周囲の若者たちの葛藤を描く。現在、ドラマ「ラストノート」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系) にて寺西拓人とダブル主演を務め、歳の差恋愛の役を演じている内田が、20歳の時に主演を務めたフジテレビ系“月9”作品だ。
■籐子はかつてスカウトを断った芸能プロダクションを訪ねる
第1話の副題は「私を買って下さい」。来春、奄美の高校を卒業する籐子が上京し、幼なじみの大学生ラガーマン・淳弥(反町隆史)に会った足で芸能プロダクションの社長、広志を訪れ、突然、「私を買って下さい」と言う。広志は以前、新人歌手の宣材写真を撮りに奄美を訪れた際、籐子をスカウトしようとしたいきさつがある。しかし、新人歌手の売り出しに失敗した広志は、事務所をしめようと決意したばかり。籐子の申し出は断ったが、新人オーディションの電話が入った。
■籐子にとって奄美は偽物の故郷だった
芸能界最後の仕事として暴露本を出す考えがあった広志も、籐子のことが気にかかる。籐子の母、千鶴(奈美悦子)の結婚式当日、島を訪れた広志は結婚相手が籐子に結婚式へ出て欲しくないという話を盗み聞く。故郷も母親も「本当に思えてきていたのに」と涙をたえる籐子に、広志は「一緒に飛んでみないか」と語りかけた。
第2話は「オーディション」。籐子は淳弥が麻実(水野美紀)を好きなことに気づき、寂しくなる。一方、広志は学生時代から行きつけの定食屋に籐子を案内し、そこに下宿することをすすめる。翌朝、オーディション会場へ向かう途中、ホテルから男と出てきた麻実を見て籐子は驚く。
会場では制作担当の石野(今井雅之)が暴言を吐き、籐子がその犠牲者になる。演技テストで、最初に籐子が言葉を交わした17歳の真弓(矢田亜希子)が指名されるが、相手の男優に殴られる場面で真弓が倒れてしまう。代役に立った籐子は、石野が根負けするほどビンタされ続け…。しかし結果は、真弓がオーディションで選ばれることに。迎えにきた広志は、籐子の顔が赤く腫れてるのを見て驚くが、籐子は風呂場で倒れたとごまかす。それを知った石野が仕事をまわす。籐子が芸能人として一歩を踏み出すのだ。
新人女優として進み始めた籐子には、親に捨てられた過去や好きな人に想いを打ち明けられない壁があった。しかし、初回から画面を通じて伝わってくるのは、籐子の秘めた美しさと内面の強さ。奄美の美しい海をバックに絵を描くシーンや、参加者の中でひと際光るオーディションの場面では、視聴者にも「この子は変わっていきそう…」と思わせる。“翼をください”というタイトル回収はどんな形になるのか楽しみになる作品だ。

