
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『もう叱りたくないと思ったら読む本――子育て世代の新常識・マンガ〈叱る依存〉がとまらない』(紀伊國屋書店刊、著者:フクチマミ、村中直人)より、第3話『叱るのが効果的なとき』を紹介する。フクチマミさんが、7月20日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、フクチマミさんと村中直人さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■効果のない叱り方と効果のある𠮟り方

3児の母・ナオは、子どものあおいが棒つきの飴をくわえたまま走るのを見て「コラ!!走っちゃダメ!!」と𠮟る。すると叱ることを手放すべきと主張する“宇宙人”ムラナカが現れ、「効果的な『叱る』をしてますね」とナオにひと言。
ムラナカは、“危機介入”のために叱るのは唯一効果があると説明する。すると、話を聞いたナオは勢いであおいを叱り続けた。しかし、ムラナカはそんな彼女を止め、“危機介入”の叱りで変えられるものについてより深く説明を始め…。
この叱り方についてのエピソードを読んだ人たちからは、「話が本当にわかりやすい」「この叱り方は大事」「バランスが難しいよね」など、多くのコメントが寄せられている。
■著者のフクチマミさん、村中直人さんにこだわりをインタビュー

●著者・フクチマミ様
――『もう叱りたくないと思ったら読む本』を描くことになったきっかけはなんですか。
叱ることにずっとモヤモヤした気持ちを持っていたのですが、3年ほど前に村中直人さんの『〈叱る依存〉がとまらない』を読んで「これは今まで感じてきたけれど、うまく言い表せなかったことが書いてある!」と感動してSNSに感想をアップしたことがきっかけです。
――育児中のよくあるエピソードが非常に読み込みやすく感じました。描く上で意識したことや、こだわりポイントがあればお教えください。
この本は「叱ることを手放す」のを目指しているんですが、叱るのは絶対ダメ!なことではないんです。決して叱っている人を叱ったり、叱ること自体を否定しないように気をつけました。「叱る」をどう捉えてどう付き合っていくのかが、具体的に伝わるように意識しました。
――本作を描く際の、村中直人さんとのやりとりで特に印象に残っているやりとりがあれば、理由と共にお教えください。
この本では村中さんが“宇宙人ムラナカ”として登場するのですが、その設定を提案した際に「そう言えば昔、宇宙人みたいって言われたことあったな…」と仰ったことです(笑)。ちなみになぜ宇宙人なのかというと、子育てについて何か言われるのって、最前で必死に頑張っている人にとっては結構イラっとすることなんです。なので「誰に言われたらムカつかないかな…」と考えて宇宙人に至りました。
――この本をどんな方に届けたいですか?
まずは子育て中の方ですね。忙しさと疲れで活字の本を読むのがつらいという方が多いので、そんなときでも漫画なら情報が頭に入りやすいと思います。あと職場で叱らずにはいられない、叱るように周りからプレッシャーをかけられる…そんな人にも読んでもらえたらと思っています。
●著者・村中直人様
――本作では、思わず「ならどうしたら…?」と思ってしまう場面が取り上げられています。『もう叱りたくないと思ったら読む本』で読者に要点を伝えるため「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
本を書くときにいつもこだわっているのは、わかりやすさと専門性をどのように両立させるのか、という点です。本書は全編マンガということもありよりそのバランスが大事な本なのですが、フクチさんのお力で自信を持ってお届けできる内容になっていると思います。
――村中さんのご著書『〈叱る依存〉がとまらない』を全面的に再構成されたとのことですが、フクチマミさんが描かれたネームや完成した漫画を見て、どのような印象を抱かれたかお教えください。
〈叱る依存〉がマンガになっていることに、とにかく感動しました(笑)。フクチさんとは2年近くこの作品のためにディスカッションを重ねておりましたので、一緒に話し合ってきた内容をうまく1つの家族のエピソードとしてまとめていただいているなと思いました。視覚的に表現されることで、とっても読みやすく、親しみやすくなるのはマンガならではだと感じています。
――今後の展望や目標をお教えください。
個人的な目標の1つに「叱ると怒るはちがうんだ」「怒るのはダメだが、叱ることは必要」という意見が過去のものになって、誰も言わなくなるというものがあります。本書をたくさんの人に読んで頂くことで、少し目標に近づけるのではないかなと期待しています。
――本作をどのような方に読んでいただきたいですか。読者へのメッセージをお願いします。
本のタイトルの通りです。「もう叱りたくない」と、いままでに1度でも思ったことのある方に読んでもらいたいと思っています。日々さまざまなことが起きますので、「叱る」ことに頼ってしまう、または抜け出せなくなってしまうことは誰にでも起こりえます。そんなときに、お守りのように何度も繰り返して読める、そんな本に仕上がっていると思います。

