シリーズ待望の最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』を鑑賞。ピーター・パーカー=スパイダーマンの新たな物語に泣いたり笑ったりの超おすすめ作!

シリーズ待望の最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』を鑑賞。ピーター・パーカー=スパイダーマンの新たな物語に泣いたり笑ったりの超おすすめ作!

2026年7月31日より全国公開された『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は、前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の4年後を舞台に、人々の記憶から消えたピーター・パーカー=スパイダーマンの新たな物語を描いたシリーズ待望の最新作。公開後に劇場で鑑賞した本作の感想を紹介(以下、ネタバレを含みます)。
映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』メイン写真
映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』メイン写真 / MARVEL and all related character names: (C) & TM 2026 MARVE


【ストーリー】
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の出来事から4年、大人になったピーター・パーカー(トム・ホランド)は、愛する人たちを守るために彼らの記憶から自らの存在を消し、孤独に生活していた。

ニューヨークで街の人々を守り、犯罪と戦う日々に全力を尽くしているスパイダーマンに対して、人々の期待が高まっていた。

そのプレッシャーが自分の存在そのものを脅かし、スパイダーマンは命に関わる驚くべき身体的変異を引き起こす。

同じころ、街では不可解な犯罪が頻発する事態が発生。“親愛なる隣人=スパイダーマン”に、かつて直面したことのない大きな脅威が迫っていた…。
【写真】犯罪者たちを日々追い詰めながら孤独に暮らすピーター・パーカー=スパイダーマン(トム・ホランド)
【写真】犯罪者たちを日々追い詰めながら孤独に暮らすピーター・パーカー=スパイダーマン(トム・ホランド) / MARVEL and all related character names: (C) & TM 2026 MARVE


■アメコミファンにはおなじみのキャラ、パニッシャー&ジーン・グレイが登場!
本作のメガホンをとったのは、トム・ホランドの『スパイダーマン』前3作を手がけたジョン・ワッツ監督ではなく、マーベル・スタジオの映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021年)の監督・共同脚本を務めたデスティン・ダニエル・クレットン。

デスティン監督の過去作は、ブリー・ラーソン主演の『ショート・ターム』(2013年)と、冤罪の死刑囚たちのために奮闘する弁護士ブライアン・スティーブンソンの実話を映画化した『黒い司法 0%からの奇跡』(2019年)の2作のみ鑑賞済みで、どちらも良作であることから、彼がスパイダーマンシリーズの新作を撮ると知ったときは期待値が爆上がりした。

デスティン監督は実写映画『NARUTO -ナルト-』の監督と脚本を手がけることが発表されており、こちらの公開も楽しみである。

主演のトム・ホランドは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)でスパイダーマン役に抜擢され、それ以降『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年)、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年)と、スパイダーマン役を演じ続けてきた。

トムは現在30歳だが、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が公開されたころはまだ20代で、初めて彼をこの作品で観たときは“若いスパイダーマンかわいすぎる!”と、心の中で叫んだのを覚えている。

もちろん、トビー・マグワイアがスパイダーマンを演じた『スパイダーマン』三部作(2002〜2007年)も、アンドリュー・ガーフィールドがスパイダーマンを演じた『アメイジング・スパイダーマン』(2012〜2014年)二作も好きなのだが、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でいきなり登場した高校生のピーター(とスパイダーマン)は、はちゃめちゃに元気でチャーミングなキャラクターだったことから、いっきに大好きになってしまった。

トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドがスパイダーマンを演じた過去作はつらい話が多い印象だったが、トム・ホランドがスパイダーマンを演じた『スパイダーマン:ホームカミング』と『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、高校のクラスメイトたちとワチャワチャするシーンがあり、まるで青春映画のように楽しい作品だった。

ところが『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、ピーターの存在が多くの敵に知られてしまい、いつか愛する人たちに危機が及ぶことを恐れたピーターが、ドクター・ストレンジの魔術で全世界の人々から自分の存在の記憶を抹消する道を選ぶというラストを迎えた。

次回作(本作)は、ピーターのことを誰一人知らないという悲しい世界からスタートすることはわかっていたが、筆者は“大丈夫よピーター、私たちがいるよ!”という気持ちで劇場の客席に座った。そしてスクリーンにスパイダーマンが登場した瞬間に号泣し、涙で前が見えなくなったのである。
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メインキャストはこれまでと変わらず、ピーターの最愛の人・MJをゼンデイヤ、ピーターの親友だったネッドをジェイコブ・バタロンが演じている。そして今回はアベンジャーズのメンバーからブルース・バナー (別名ハルク)を演じるマーク・ラファロが参加。

また、マーベルのヒットシリーズ『Marvel デアデビル』(2015年)と『Marvel パニッシャー』(2017年)でジョン・バーンサルが演じたフランク・キャッスル(別名パニッシャー)、セイディー・シンクが演じる特殊な能力を持つジーン・グレイという、アメコミファンにはおなじみの人気キャラクターが本作に登場するのも大きな見どころ。
スパイダーマンとともに敵に戦う“パニッシャー”ことフランク・キャッスル(ジョン・バーンサル)
スパイダーマンとともに敵に戦う“パニッシャー”ことフランク・キャッスル(ジョン・バーンサル) / MARVEL and all related character names: (C) & TM 2026 MARVE


■ピーター・パーカーの成長過程での苦悩と最愛の人・MJへの想いが胸を打つ!
本作の冒頭、誰一人ピーターを知らない孤立無援の世界で、彼がニューヨーク市警の刑事と連携をとりながら4年間人々を守り続けてきたことが明かされる。スパイダーマンとして市民に愛されながらも、最愛の人であるMJや親友ネッドの記憶から消し去られてしまったピーターが、心にポッカリと空いた穴を埋めるように戦い続ける姿が切ない。

一方、MJとネッドは“ピーターなしの人生”をしっかりと歩んでいて、ピーターは彼らの様子をSNSアカウントをのぞいて見守ってきたが、大学を卒業した二人がニューヨークに戻ってくると、会いたい気持ちに抗えなくなってしまう。

そんな中、偶然遭遇したネッドの引っ越しパーティーに紛れ込んだピーターは、MJにもあいさつをする。ところが、MJが知らない男性とキスをするところを目撃してしまい、ピーターは落ち込んでしまうのだ。このシーンはピーターだけじゃなく、これまでMJとピーターを恋の行方を見守ってきた筆者にとってもかなりショッキングなシーンだった。

翌朝、アパートの外で蜘蛛の巣の繭に包まれた状態で目を覚ましたピーター。寝ている間に手首から勝手に糸が発生していたことに気づき、自身の体の変異に悩み始める。
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ピーターの変化は、彼の体内にある蜘蛛由来のホルモンが増加したことが要因と考えられ、このあと敵と戦っている最中に、自分の力を制御できなくなり、警察官に重傷を負わせてしまう事件が発生。

これまで、たとえ敵であっても極力命を奪わない選択をしてきたはずのピーター(スパイダーマン)が、暴走したシーンはとても痛々しかった…。そんなピーターの苦悩やMJに対する複雑な心情を、繊細に表現したトムの演技力に今回はあらためて驚かされた。

もちろん、これまでもピーターの苦悩や葛藤は描かれてきたが、“体の衰え”、“最愛の人との距離感”、“暴走を制御できない悩み”などは本作でトムがピーターを演じるうえで新たに挑戦した芝居となったはず。今回、トムの新たな魅力を発見し、さらに大好きな俳優になった。

ちなみに、トムは最近MJ役のゼンデイヤとの結婚を発表しており、心の片隅にそのことをチラつかせながら本作を観てしまうと混乱するので注意が必要だ(笑)。いったんそのことは忘れて、ピーターの記憶がないMJとピーターがどんなやり取りをするのか、純粋に楽しんでもらいたい。
スパイダーマンとピーター・パーカー最愛の人・MJ(ゼンデイヤ)
スパイダーマンとピーター・パーカー最愛の人・MJ(ゼンデイヤ) / MARVEL and all related character names: (C) & TM 2026 MARVE


本作は、ピーターの成長と葛藤が描かれる一方で、パニッシャーという心に傷を負った一人軍隊のようなクセ強なキャラクターとスパーダーマンの共闘や、コミカルなやり取りが見られるほか、強大なテレパシー能力やテレキネシス能力を持つジーン・グレイ(X-MENシリーズに登場する最強キャラ)が物語を大きく動かすなど、ハラハラドキドキの展開があり、見どころ満載の作品となっている。

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という信条で生きてきたピーターに対して、筆者は子どもにそんな大きな責任を負わせたくない、彼には幸せな人生を送ってほしいとずっと願ってきた。でも、ピーターはもう子どもではないし、“愛する人たちとニューヨークの人々(あるいは世界中の人たち)を絶対に守るんだ!”という強い正義感は何があっても揺るがない。

それならば、これから先どんなにつらい出来事がピーターを襲っても、覚悟を持って彼の人生を見守るしかないのだ。そんなことを考えながら、現実にもこんなすてきなヒーローがいてくれたらなぁなんて思ってしまった。

アクションあり、恋愛ありのエンタメ超大作でありながら、傷を負った勇敢なヒーローの繊細な姿に感動できる本作。ぜひ劇場の大きなスクリーンで鑑賞してもらいたい。
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文=奥村百恵

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