
本作の主人公の二ノ瀬陸は、最近最愛の人と結婚をすることができた。その相手というのが“怨霊”の麗美さんだ。陸は決して怨霊オタクなわけではなく、たまたま好きになった人が怨霊だっただけ!麗美が見せたかわいい表情に一目惚れしてしまったのだ。多少感性のズレたところがあるとはいえ、それ以外はいたって普通のサラリーマンである。そんな怨霊の妻にベタ惚れ中の陸であるが、ときどき油断して麗美さんの表情に一般人と同じように震え上がることも…。

本作『怨霊奥様』を書いたのは漫画家の若狭たけしさんである。本作は2018年より各電子コミックサイトで連載を開始し、2022年に完結。現在は単行本全10巻が好評発売中である。今回、若狭たけしさんに話を聞くことができた。
――麗美さんは本格ホラー並みに怖い表情を見せる一方で、ときどきものすごくかわいいですよね。怖さとかわいさのバランスで意識していることはありますか?
僕は本気で怖がらせたいので、極力怖く描きたいと思っていたんですが、怖すぎて読者さんが引いてしまったり、ホラーが苦手な人に完全に読まれないことになってしまっても困りますし、一応加減はしています(笑)。
――あ…手加減はしていただいていたんですね…(笑)。
ええ、もちろん。スプラッター映画とか好きなんですが、あんまりグロいのは描かないようにしていたり…。怖いシーンもある分、かわいい表情も必ず入れるようにして、ギャップは出すようにしたりしています。“怖い”と“かわいい”はできるだけ1話の中に両方入れるようにはしています。

――「怨霊なのにかわいい」「でも普通に怖い」という読者の感情が大混乱する作品ですが、若狭たけしさんご自身は、麗美さんを“かわいい”と“怖い”のどちら寄りで描いているのでしょうか?
やはりどっちの面も麗美さんなので、両方ですが、連載が始まったころは怖く描く意識のほうが強かった気がします。ホラー漫画を描いているつもりで。担当さんの声や読者さんの感想などでだんだんと「ああホラーじゃなく、ホラーラブコメだから受けているのか」と気づき出して、だんだん“かわいい”もちゃんと意識しなくちゃと思うようになりましたね。かわいい女の子を描くのも好きですし!
――例えば、具体的にどのような点に変化が見られますか?
『怨霊奥様』の第1話冒頭のカラーページでは麗美さんの肌は結構青かったんですが、段々と少しずつ青さを減らしたりしました。
――もし若狭たけしさんご自身が“怨霊と暮らす”ことになったら、麗美さんのようなタイプの怨霊なら大丈夫でしょうか?
ホラー映画や怪談は好きなんですけど、怖がりでもあるんです。わざわざ心霊スポットに行ったり肝試しに行ったりとかはしたくないタイプでして。実際目の前に現れたら怖くて耐えられないと思いますが、でもまぁ好きなタイプだったら陸さんみたいに一目惚れしてしまうのかもしれませんね(笑)。
――本作には続編に当たる『怨霊お子様』という作品もあるんですよね?どんな作品なのでしょうか?
『怨霊奥様』の二ノ瀬家を舞台に、4歳児の怨霊の忌美(いみ)ちゃんが加わったというお話です。実は『奥様』が終わる前に『お子様』に続くことも決まっていたので、『奥様』の終盤を描きながら『お子様』の最初の方の構想も練り始めていたので、僕のなかでは別作品というより、そのまま続いている感じです。
『奥様』と『お子様』の間には4年という時間が経っているという設定ですが、二ノ瀬夫婦も周りのキャラクターも引き続きみんな出てくる(お隣の花恵ちゃんは10歳から14歳に成長していたり、陸さんが少し出世してたり)ので、ぜひ『奥様』と『お子様』を続けて読んでいただきたいです。よろしくお願いします!

現在連載中の『怨霊お子様』は『怨霊奥様』の続編となり、合本版も発売中だ。陸と麗美さんのドタバタな怨霊ライフに子どもの怨霊・忌美(いみ)ちゃんも仲間入り!愛娘が加わって怨霊一家はさらにパワーアップする。笑いあり、怖さありで夏にぴったりの一冊となっている。阿鼻叫喚の怨霊ライフをちょっとのぞき見てみよう。
取材協力:若狭たけし

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

