
長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『ニカゲーム』(テレビ朝日)をチョイス。
■不思議な番組『ニカゲーム』
『10万円でできるかな』内のコーナーからレギュラー化したバラエティ番組『ニカゲーム』。Kis-My-Ft2・二階堂高嗣、timelesz・猪俣周杜、令和ロマン・松井ケムリの3人が、可愛くも奇妙なキャラクター、ラコちんの出題する時事ネタや英語に関してのクイズに挑戦する。
また不思議な番組だ。私は元のコーナーを見たことがなかったから、レギュラー化にあたってどういった変化があるのかは分からないけれども、ここまで脈絡のない進行だったのだろうか?「では、続いてのコーナーです!」というようなスイッチも、ルールの説明もないまま、次の瞬間には新しいゲームに興じている。“ちょっと不気味な教育番組”という惹句は、この脈絡のなさを表したものなのだろうか。テンポが早いのはいかにも令和らしい傾向だが、この番組は編集や演出に凝っていて、テンポに全振りした結果だとも思えない。元々人気コーナーであったことから、ゲームのルールの説明が省かれているのかもしれない。それとも、パロディ元である『イカゲーム』に則っていたりするのだろうか? 恥ずかしながら見たことがないから分からないのだけど、どちらにせよゲームが始まればルールなどすぐに理解できるから、問題点というわけではない。それどころか、結果的な脈絡のなさが私には大変魅力的に映るのだ。
脈絡のないものがとにかく好きだ。作品名は伏せるが、空からカエルがぼとぼと降ってきたり、クリーチャーとの戦いに生き残った人々が突如現れた巨大ロボットに踏みつぶされたり、そういった唐突な結末を迎える映画にいたく感動した原体験による性癖。そもそも私の生命だって、なんら脈絡なく発生したものである。今、この原稿を書きながら「ウギギ~」と声に出したのも、どんな脈絡があってかは分からない。あらゆる出来事は、案外独立しているもので、それらをコネコネと粘土のように混ぜあわせたのが人生。順序だてた論理を守り続けるのは、それこそ現実的ではないのだ。
テレビ番組の話をするはずが、脈絡の話をしてしまった。ここ最近見た中では一番に洒落ていて、内容も面白い番組だったので、是非オススメしたい。映像としてのカッコよさがある。ロケをしないスタジオ撮影でも、ここまで遊びのある映像を作ることができるのだ。
番組冒頭の平成クイズとか、一生やっていたい。私は、脈絡のないものと平成が大好きなのである。
■文/城戸

