
中村ゆりか、佐野玲於がW主演を務めるドラマ「夫に不倫をお願いされました」(毎週木曜深夜0:00-、テレビ大阪ほか)が放送中。中家ヨシタカの同名漫画が原作の同ドラマは、“公認不倫”をテーマに、夫婦のあり方を問うヒューマンドラマ。
主婦の花恵(中村)は、激務の銀行員である夫・弘樹(佐野)と5年におよぶセックスレスに悩んでいた。ある日、意を決して弘樹を誘うも、弘樹から「花恵のことは愛しているけど…外で解消してきてよ、セックスも寂しいも全部」と提案を受ける。家庭円満のために、花恵が“公認不倫”で欲求や夫への思いを家庭の外で解消しようと奮闘する。
このたび、WEBザテレビジョンでは中村と佐野にインタビューを実施。役どころや3回目の共演となるお互いの印象、作品にちなんで“お願い”に関する思い出について語ってもらった。
■中村「“不倫=ドロドロ”ではない、前向きに応援したくなる」
――出演が決まったとき、脚本を読んだときのお気持ちを教えてください。
中村ゆりか(以下、中村):純粋にお声をかけていただけて本当にうれしかったですし、タイトル的にすごく興味をそそられました。脚本を読んで、“不倫=ドロドロ”ではないんだなと感じ、とても楽しみに撮影へ臨めました。また、私は不倫をする側だったので、最初は視聴者の方がどう感じるのかなという心配な気持ちもありました。ですが、ポップで前向きに応援したくなるテイストで描かれていたので、演じてみてとても楽しかったです。
佐野玲於(以下、佐野):夫婦で子どもがいる役が初めてだったので、そういう役ができる年齢になったんだなという実感がまず湧きました。また、原作者の実体験をもとに描かれた原作ということもあり、「なるほど、こういう話があるんだ」という興味から、演じてみたいと思いお受けいたしました。
――佐野さんは、地上波テレビドラマ初主演(W主演)とのことですが、主演が決まった時の心境はいかがでしたか?
佐野:実は、自分が主演だと思っていなくて。情報が解禁されるまで知らなかったので、“佐野玲於、地上波ドラマ初主演”と聞いて、「マジで?」となりました(笑)。ただ、地上波ドラマに出演する機会が久しぶりだったので、すごくワクワクしましたし、そのように取り上げていただけてありがたいと思いました。新しいチャレンジだったのでうれしかったですし、楽しく撮影に臨みました。
――中村さんはこれまで激しかったり妖艶だったりする役も多かったかと思いますが、今回の役について演じ方への違いはありましたか?
中村:自分で言うのも何ですが、これまでは悪女のようなキャラクターが多かったのですが、今回は今までと比べるとピュアな心を持つ人だったので、今までの役柄と違うなと思いながら純粋に楽しんでいました。
役作りに関しては、作品や環境、相手の方によってもちろん変わりますが、今回は本当に現場の空気感が良かったです。スタッフの皆さんがお芝居しやすい環境を整えてくださりとても救われましたし、弘樹のキャラクターも明確だったので、花恵になりやすかったと思います。周りの方々のおかげで役を作り上げることができ、そこまで難しいと感じずに演じられました。
■中村×佐野が演じたキャラクターの役どころを語る
――ご自身が演じたキャラクターの役どころを教えてください。
中村:私が演じる花恵は、自分の幸せのためにどうしたら夫に振り向いてもらえるのか試行錯誤します。不倫というテーマではありますが、重たく捉えすぎず、前向きに幸せを求めて向き合う役で、お母さんということもあり、衣装だったり、娘や夫とのやり取りだったりも新鮮で、自分自身の新たな一面が見られたので、この役と向き合えて良かったなと思っています。
佐野:タイトルの通り、僕演じる弘樹が「不倫してきてください」とお願いするドラマです。僕は初めての夫婦、夫役のオファーをいただいたのですが、夫婦間で不倫をお願いするというシチュエーションを聞いたことがなかったので、とても新感覚で臨めました。会話の中では、核となる“愛の種類”のズレがありつつも、夫婦の真剣さがポップに描かれている作品という印象を受けました。
――役との共通点や逆に異なる点などはありましたか?
中村:花恵と弘樹の間では価値観が合わずにバチバチして、意見が通らないときに、花恵がプツンと切れてカッとなってしまうシーンがあります。役ではありますが、日常では感じたことのない感情だったので、自分自身がこんなに感情をむき出しにできるんだなと新たな発見はありました。
――中村さん自身は普段はあまり感情的にならないタイプですか?
中村:淡々とツッコんでいて、本気にはならないタイプです。あと、感情に火がついた時は面白くなってしまい、面白い方向に転がしてしまう癖があります(笑)。
佐野:弘樹には天然でしてしまう自分勝手な部分があり、それが相手を怒らせるスイッチになって、毎話花恵に怒られていたなという印象があるのですが。そんな弘樹を演じていて、何回も悪意なく怒らせていると、「なんで怒られているんだっけ?」という状態になるのが面白かったです。ただ、女性側からするとムカつくだろうなと思うので、視聴者の方がどう感じるか怯えています。
中村:ちゃんと弘樹でした。あと、休憩中も弘樹で、役作りのために少しイラっとする発言がありました(笑)。根は真面目なので、役に真摯に取り組んでいる姿が素晴らしいなって思いました。
佐野:夫婦ってちょっとしたことでけんかをすることもあり、そのスイッチはどこにでもあるんだなというのはすごく感じました。ドラマということもありますが、露骨にポップにそのやりとりが描かれているような気がします。
■佐野、中村との3回目の共演で深めた絆「シーンの相談や提案もできた」
――お二人は今回が3回目の共演とのことですが、価値観にズレがある夫婦役を演じてみていかがでしたか?
中村:良い意味で気を遣わずに演じられました。お芝居において壁があると、遠慮が出てやりづらくなったりもしますが、それが全くなくて。とてもやりやすかったです。
佐野:同じく非常にやりやすかったです。前回の共演時はそこまでしゃべっていなかったのですが、今回は夫婦役で踏み込む役なので、“3回目の共演だし仲が良いことにしよう”という建前にして進めました。
――今作の現場で気づいた相手の新たな一面はありましたか?
中村:前作ではしっかり向き合うシーンがなく、コミュニケーションもそこまで取れていなかったなという中で、勝手に人見知りなのかなという印象を持っていました。でも、今作でしっかりと役に向き合いながらコミュニケーションを取ってみるとお話が上手で、心の中に少年のようなかわいらしさがある一面を垣間見ることができました。
佐野:今作はほとんど二人か、娘を含めた三人のシーンだったので、コミュニケーションを取らせていただき、すごく仲良くなれたなと感じています。最初の勝手な印象は静かな方なのかなと。僕はどちらかというと、グループ活動もやっているので、やんちゃな男の子たちが集まって、5分の休み時間があれば校庭に行きたいタイプ。一方、(中村は)一番涼しい窓際で本を読んでいるタイプなのかなみたいな(笑)。なので、僕があまり絡んではいけない方なのかもしれないっていう気遣いがあったのですが、話してみると非常に面白く、年齢も近いため弾んだコミュニケーションが取れましたし、シーンの相談や提案もできたのでとてもやりやすくなりました。
中村:その言葉が聞けてうれしいです。
■佐野が撮影を通して感じた夫婦の形「関係性が変化していく」
――お二人のお気に入りのシーンを教えてください。
中村:娘の春奈役の希歩ちゃんの絶妙な表情がお気に入りです。夫婦がバチバチしている間、なんとも言えない表情で隠れたり逃げたりする姿が、一番大人びているのではないかなと思うほどに心を持っていかれました。特に第2話で、花恵が弘樹に怒鳴るシーンに春奈がたまたま居合わせるんですが、その時に春奈がくるっと弘樹の方に向き直る仕草がすごくかわいくてお気に入りです。
佐野:僕は基本的には夫婦の会話が多くて。弘樹がすっとぼけて、花恵が怒るというやりとりはすごく軽快で面白かったので、二人の会話は全体的に面白いかなと思います。あと、春奈を演じてくれた希歩ちゃんは、たくましくて空気が読める子で、すごく助かりました。子どもと一緒にお芝居をするシーンは、子どものことを気にしながら演じなきゃといろいろ想像をしていたのですが自然なお芝居が素晴らしく、子どもって親の揉め事にこういうふうな気遣いを自然としていたりするのかなと、考えてしまうような発見もありました。
――本作を通して、結婚や家族を持つことへの価値観に変化はありましたか?
中村:結婚をしたことがないので分からない部分もありますが、今作で疑似体験をさせていただいているかのようで、夫婦は必ずしも意思疎通や価値観が一致するわけではなく、長年連れ添う中でのズレも生じるのだと実感しました。その中で、相手への思いやりやリスペクトを持つことや、相手の人としての魅力をちゃんと大事に思っていたら、長続きしたり、もっと柔軟に対応できたりするのかなと考えさせられた期間でした。
佐野:あくまで僕個人の感じたことになりますが、今作で経験をした疑似結婚生活を通して、夫婦も友達のような関係になることがあるんだなと感じました。今作は泥沼の不倫劇を描くような作品ではなく、“公認不倫”から物語が展開していきますが、その中で夫婦の会話や掛け合い、しっかりとした関係性を描いているからこそ、愛の形の違いを感じました。夫婦として時間を重ねていく中で友達のようになったり、子どもができたことで向き合い方が変わっていったり、関係性が変化していくんだろうなと深く考えさせられました。
■中村「前向きに悩みと向き合う姿を応援してください」
――今作は、夫からの“驚きの提案”から物語が始まりますが、お二人は過去にこんな驚きの提案をされたな、あのお願いは無茶だったなという思い出はありますか?
中村:以前、小栗旬さん主演の『BORDER 贖罪』(2017年、テレビ朝日系)で幽霊の役を演じさせていただいたのですが、衣装合わせのときに、スーツケースの大・中・小が並んでいて、スタッフさんに「どのサイズに入れますか?」と聞かれました。私は個人的に余裕がある大きいサイズに入りたかったのですが、「小サイズで」と言われまして(笑)。一番小さいサイズは苦しすぎたので、せめて「中サイズにしてください」とお願いしました。中サイズに入れたのですが、体がすごく柔らかくないと入れないので、体が柔らかいことに気付きましたね。それは、印象深いお願いだったなと思います。
佐野:こういうお仕事をしていると、ありがたいことにお願い事をされることも増えるのですが、以前、SNSのダイレクトメッセージ(DM)に来ているお仕事の依頼をマネージャーさんと見る機会がありまして。普段は見ないですし、僕はエージェント窓口なのでお引き受けはしないんですが、マネージャーさんと「いろんなお仕事が来ていますね」と見ていたとき、洋服やコスメ、マッサージや美容室などさまざまな依頼がある中で、『ナイトブラを着用して感想を投稿してほしい』という依頼に目が止まりまして(笑)。マネージャーさんと「これ本当に俺に送っているのかな? プロフィール見ているのかな?」「どういうことですかね、これは無理なお願いですよね」と話をしたのを思い出しました。
中村:間違えちゃったのかな(笑)。
――最後に視聴者の方へメッセージをお願いいたします。
中村:例えばパートナーとの関係でうまくいかなくなったときに、ちょっと笑いに変えられたらいいなと思えるポイントがたくさんあります。また、花恵が不倫相手と接していく中で発見する思いや芽生える感情もあるので、そこから弘樹とどういう関係になっていくのかなと追っていただけるとうれしいです。うまくいかなくなった関係でも、どこかで良くなっていくような“救い”や“修復のヒント”もある作品で、コミカルなだけでなく、内側に抱えている切なさも丁寧に描かれているので、ぜひ前向きに悩みと向き合う姿を応援してください。
佐野:花恵の妻としての主張や夫への愛、弘樹が夫として思う家族に対する愛のすれ違いの中で起きるさまざまな提案と展開がこのドラマの見どころだと思います。ぜひそれを受け取って楽しんでいただけたらと思います。構えすぎずに気軽に見ていただき、夫婦のやり取りから何か気づきを得てもらえたらうれしいです。

