食道がんの予防法とは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「食道がんの原因」はご存知ですか?発症しやすい人の特徴・症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)
佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。
「食道がん」とは?
食道がんは、食道というのどと胃をつなぐ細長い管状の臓器(食べ物の通り道になります)の粘膜にできる悪性の腫瘍のことです。胸部中部食道という、食道の中央付近にできることが多いですが、食道の上部や下部、また胃との境目の部分にもできます。
男女別では男性に多く、年齢別では70代後半〜80代前半に多いとされています。
食道がんの予防法
食道がんを予防するためには、規則正しい生活を送ることが効果的です。予防法について、具体的に紹介します。
禁煙・禁酒または量を減らす
日本人では食道がんのリスクが、喫煙と飲酒によってそれぞれ約3倍になります。また、飲酒と喫煙は食道がんのリスクを高め合うため、両方の習慣がある場合には食道がんに注意してください。日本の男性の食道がんの8割は、タバコやお酒が原因だと言われています。そして、タバコやお酒をやめることで、食道がんになる確率が半分以下になります。
また、禁煙や禁酒は、食道がんだけでなく、他のがんや生活習慣病の予防にも有効です。喫煙や飲酒をすぐにやめるのは難しいかもしれませんが、少しずつでもよいので健康のために挑戦してみましょう。禁煙や節酒、禁酒の方法やサポートについては、医師や専門機関に相談してください。
食事生活を見直す
食生活に注意することは、食道がんの予防に効果的です。まずは、熱いものや辛いものなどのいわゆる刺激物は頻度を減らすか、避けるようにしましょう。
逆に、野菜や果物などの食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な食事がおすすめです。野菜や果物の摂取量が多いと、喫煙や飲酒していても食道がんのリスクが下がったという報告があります。
定期的な健診を受ける
症状がない場合に保険診療は受けられませんが、定期的な健診を受けることで、自分の健康状態を客観的にチェックできます。アルコールや喫煙による影響も含め、自分の身体の評価をしてみましょう。
また、予防ではなく早期発見という意味で、健診での胃カメラ検査やバリウム検査は効果的です。食道がんは、初期のうちは症状がないことが多いので、健診が診断に繋がるかもしれません。

