
27歳で卵巣奇形腫と診断され、その後も子宮頸がんをはじめ、さまざまな病気の疑いと向き合い続けたまえだ永吉(@eikiccy)さん。36歳で卵巣嚢腫の手術を受けた実体験をまとめた『卵巣嚢腫手術レポ』は、リアルな入院生活と前向きなメッセージが共感を集めている。作品に込めた思いや当時の心境について話を聞いた。
■不安を和らげてくれたのは他の人の体験談だった



まえださんが作品を描こうと思ったきっかけは、自身の入院前の不安だったという。手術後の痛みや入院生活が想像できず心細かったものの、インターネットで多くの手術レポ漫画を読んだことで気持ちが落ち着いたそうだ。「病院によって治療方針も違えば、術後の症状も人それぞれ。体験談はあればあるだけ参考になる」と感じ、自身の経験もこれから腹腔鏡手術を受ける人の安心につながればとの思いで描き始めた。
■検査結果に揺れ続けた9年間
27歳で卵巣奇形腫と診断された当時は、結婚や出産への希望もあり、「かなりショックを受けました」と振り返る。検査結果が悪い時期もあり、不安な日々が続いたという。その後、34歳頃にはさまざまな出来事を経て気持ちに区切りをつけたことで、「婦人科系の検査結果にショックを受けなくなり、むしろ子宮頸がん検診は『異常なし』になるなど好転していきました」と語る。「吹っ切ったのが精神的にも身体的にもよかったのかもしれません。無理なことはするもんじゃないですね」と当時を振り返った。
■眠れない夜も、支えになった人たち
9年後にチョコレート嚢胞と診断され、5日間の入院生活を送ったまえださん。一番つらかったのは「なかなかぐっすり眠れなかったこと」だったという。物音で目が覚めやすい体質に加え、「Wi-Fiが病室では使えないのがつらかったです。普段どれだけスマホに依存しているのかわかりました…」と苦笑いする。
一方で、病院の先生や看護師、スタッフは明るく親しみやすい人ばかりで、「入院中でも暗くなりませんでした」と感謝を口にした。毎日のように様子を見に来てくれた主治医には、「ちゃんと休んでるのかな…」と逆に心配になったという。
■「一緒に頑張りましょう」の思い
現在も再発予防のために通院と服薬を続けているまえださんは、治療中の人へ向けて「入院手術前はめちゃくちゃ不安かと思います。でも麻酔が一瞬で効くので手術も一瞬で終わります」とエールを送る。術後の痛みはあるものの、「今となっては『そんな事もあったなぁ~』という感じです」と笑顔で振り返ることができるようになったそうだ。
また、手術翌日に主治医から掛けられた「これからよくなっていく一方だからね」という言葉は今も心に残っているという。「私もチョコレート嚢胞を再発させないために治療中です。一緒に頑張りましょう!」と力強く呼びかけた。本作では、検査や手術だけでなく、入院生活のリアルな出来事もコミカルに描かれている。
■取材協力:まえだ永吉(@eikiccy)
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