義母の言葉に傷つき、塞ぎ込んでいたえりなのもとに、海外の義姉・みかから一時帰国の連絡が入ります。意を決してハルキの病状を伝えたところ、みかからすぐに着信があって…。
義姉からの連絡
義母の愚痴を聞いて以来、私は義実家に対して以前のような自然な笑顔を見せられなくなっていた。ハルキは体調の波が激しく、相変わらず週末のサポートは必要で、義母が来る日は、まるで監視されているような息苦しさを感じていた。
「えりなちゃん、顔色が悪いわよ。昨日はちゃんと寝られたの?」
義母は心配しているように私に声をかけてきたけれど、あの愚痴を聞いてしまっては素直に受け入れられない。
「はい、大丈夫です。ありがとうございます」
私は感情を押し殺してそう答えるしかありません。たとえ義母に本音で相談したとしても、どうせ「あなたがもっとしっかりしないと」と返されるのがオチじゃないかと思うから。そんな八方塞がりの状況で、ある日の午後、スマホに1通のメッセージ通知が届いた。送信元は、海外赴任中の義姉、みかさんだった。
「えりなちゃん、一時帰国が決まったよ。2週後に帰国して1か月は滞在できる。すぐ会って話したいな。みんなに会えるのが楽しみだよ!」
明るい、絵文字たっぷりのメッセージ。ハルキの病状を知らないからこそ、無邪気なテンションだった。
義姉に現状を伝える
少し迷った。みかさんにまで心配をかけたくない。でも、この重荷を誰かに預けたい。そう思った私は、意を決して、ハルキの現状をできるだけ冷静に伝える文章を打った。
「みかさん、うれしいけど、実はハルキが今年の春からうつ病で通院していて……。一時帰国中に、ゆっくり会えるかどうかわからないんです。心配かけてごめんなさい」
送信ボタンを押すと、手が震えた。重い事実を伝えてしまった、という後悔にも似た感覚。しかし、数分後、LINEではなく、着信があった。みかさんからだ。
「もしもし、えりなちゃん?みかだよ。ごめんね、いきなり電話しちゃって」
彼女の声は、明るさの中に確かな心配を帯びていた。
「みかさん……。ごめんなさい、こんなこと急に伝えてしまって」
「ううん、知らせてくれてありがとう。ハルキ、そうだったんだね……。本当に大変だったでしょう、えりなちゃんが。心身は大丈夫?」

