息子が忘れ物をするとママ友が「親が確認しなよ、育児放棄と一緒じゃん」⇒忘れ物して喜ぶ息子…なぜ?

息子が忘れ物をするとママ友が「親が確認しなよ、育児放棄と一緒じゃん」⇒忘れ物して喜ぶ息子…なぜ?

小学校に入学して数カ月の息子が、ある日、忘れ物をしてしまいました。「忘れ物は親の不注意よ」とママ友のAさんから注意され、私は落ち込みます。しかし、忘れ物をして困ったはずの息子から、意外な言葉が返ってくるのです。

忘れ物した息子…。失敗を機に、一歩前進

小学校へ入学してから数カ月、息子は学校の細かいルールや仕組みになかなか慣れない様子で、戸惑うこともしばしば。友だちもまだできていませんでした。


ある日の夕方、所用で出かけて帰る途中、道端で同じクラスのママ、Aさんに出会いました。するとAさんが「息子くん、今日筆箱を忘れて隣の子に借りたんですって?」と心配そうに聞いてきたのです。私は「えっ、そうなの?」とびっくり。出かける際、「忘れ物はない?」と声をかけると、息子は「ないよっ!」と元気に返事して登校したので安心していましたが、まさか大事な筆箱を忘れるとは……。


呆然とする私にAさんは呆れたような顔をして「1年生の荷物チェックなんて親の当たり前の義務でしょ?」とチクリ。「放任主義だか知らないけど、筆箱も持たせないなんて育児放棄と変わらないじゃない。隣の子に借りてごまかしたらしいけど、相手の子にも迷惑だし……。恥をかくのは息子くんなんだから、もうちょっとまともに親やってあげたら?」と言ってきたのです。正論を装った、あまりにもトゲのある言葉。まるで「毒親」と決めつけられたかのような攻撃的な言われように腹が立つも、私は反論することもできず、「確かにまだ学校に慣れていないし、私がもっとサポートするべきだったよね」と答えるしかありませんでした。


「筆箱を忘れて、さぞ落ち込んでいるだろう」「今朝、一緒に荷物をチェックしておけばよかった」という、モヤモヤした気持ちを引きずりながら、私は家路を急ぎました。しかし帰宅するやいなや、息子が玄関に飛び出してきます。そして「ママ! 今日ね、筆箱忘れちゃった!」と笑顔で伝えるのです。


私は「え? 笑顔?」と思いましたが、息子は続けて「でもね、隣の席の子に『貸して』って言えたんだよ。そしたら『いいよ』って言ってくれて。それですごく仲よくなれたんだ! 休み時間に一緒に遊んだんだよ! 忘れ物はダメかもしれないけど、忘れ物したらいいことあって、よかった!」とうれしそうに話します。チェック漏れに落ち込む私に反して、当の息子は、自分の力でピンチを乗り越え、新しいお友だちという宝物を作って帰ってきたのです。


私はたまらず「貸してって言えたの? すごいね! お友だちできて、よかったね!」と笑顔で返し、「でもまた忘れないように、明日からママと一緒に確認しようね!」と言って息子の頭をやさしく撫でてあげました。明るい表情で誇らしげに話す息子を見て、「Aさんの言葉を受けてモヤモヤしていたのは、自分の評価を気にしていただけなのかも」と私はハッとしたのです。


翌日、息子と公園に行くと、Aさんにまたばったり遭遇。周りには他のママ友たちも数人います。Aさんは昨日同様、ニヤニヤしながら近づいてきて、「あら〇〇さん(私)。どう? 昨日は反省して、今日はちゃんとお母さんらしいことできたかしら?」と見下したように言いました。私は冷静に「あのあと息子に聞いたら、自分の力で『貸して』と言えて、それがきっかけでお隣の子とすごく仲良くなれたそうなんです。失敗したからこそ自分で解決する勇気が持てたみたいで……。子どもって、大人が思うよりずっとたくましいんですね」と話しました。そして「子どもの失敗を減らしてあげたいだけならわかるけど、他人の失敗をうれしそうに探して叩くのがあなたの言う『まともな親』なら、私はそうじゃなくて結構です」と伝えたのです。


Aさんは顔を真っ赤にし、プルプルと震えながら「な、なによ! アドバイスしてあげただけじゃない……!」と言いましたが、周囲からの冷ややかな視線を感じたのか、Aさんは言葉を失い、早足で去っていきました。


子どもを失敗から守りたいというAさんのやさしさも、一概に間違いだとは思いません。しかし、親が先回りしてすべての障害物を取り除いてしまうことは、子どもが自分で乗り越えるチャンスを奪うことでもあるのかもしれません。何より、誰しもが経験のある「失敗」をあざ笑うことのほうが、親としてずっと恥ずかしいことだと私は思います。自分自身も、これからの子育てで失敗をしてもきちんと自分の糧にし、子どものことを信じて、少しずつ手を離していく勇気を持ちたいと感じた出来事でした。


著者:井島りほ/30代・ライター。小学1年生の息子と、年少の娘を育てる母。おしゃべりが大好きで寝るのが苦手な兄妹と、にぎやかな毎日を過ごしている。


作画:Pappayappa


※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)


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