ICL手術(Implantable Contact Lens:眼内コンタクトレンズ)は、視力矯正手術の一種として近年注目を集めています。しかし、「ICL手術はやめたほうがいい」という意見や不安の声を耳にし、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、ICL手術を希望する方が増えている理由や懸念点、術後の適切な過ごし方やケア方法などについて正しく解説します。
ICL手術はやめたほうがいいと言われる理由

ICL手術に興味を持っていても、インターネットの情報や費用面で不安を感じるという方は少なくありません。まずは、「ICLはやめたほうがいい」といわれる背景を整理して解説します。
不安をあおる口コミや体験談による影響
最近は、SNSやブログなどでICL手術の体験談を確認することができます。
体験談はリアルな感想として参考になりますが、なかには「ICL手術はおすすめしない」「やめたほうがいい」といった否定的な意見や個人的な感情、特殊なケースが強調されている場合もあります。ごく稀なトラブル事例が取り上げられ、ICL手術自体が危険に思えてしまい、治療を検討中の方が不安に感じることもあるかもしれません。
しかし、安全に手術を受けて満足している方の体験談よりも、こうした極端な体験談が目に留まりやすくなっている可能性があるため注意しましょう。
情報の取捨選択が難しい時代ですが、不安を感じたら信頼できる医師に相談し、事実に基づく説明を受けることが大切です。
手術に対する漠然とした不安
目の手術と聞くだけで怖さを感じる方も少なくありません。眼内にレンズを入れると聞くと「失明しないだろうか?」「痛みに耐えられるだろうか?」といった漠然とした不安が湧いてくるのは自然なことです。
眼科手術は失明や痛みというネガティブなイメージを抱きやすいものですが、ICL手術は眼科領域で安全性が確立され、豊富な手術実績がある治療方法です。
正しい情報の不足が「やめたほうがいい」という声につながることもあるので、不安な点があれば事前に医師に質問し、心配を一つひとつ解消しておくとよいでしょう。
費用の高さが「やめたほうがいい」と感じさせる?
ICL手術は公的医療保険が適用されない自由診療のため、費用が高額になる点も不安感を高めると考えられます。
ICL手術の一般的な費用相場は両眼で50〜100万円程度で、ほかの視力矯正手術より費用がかかる傾向があります。
「お金がかかりすぎるならやめたほうがいいのでは」「本当にこの治療が必要なのだろうか」「失敗したらどうしよう」という不安や迷う気持ちが「やめたほうがいい」という判断につながることも考えられます。
しかし、ICL手術は一見高額に見える治療であっても、再治療や合併症のリスクが低く、結果的に生涯の医療費負担が抑えられる場合もあります。そのため、費用だけにとらわれず、手術の安全性や術後管理の充実度なども含めて総合的に判断することが大切です。
ICL手術の基本と仕組み

ICL手術とは、眼の中にやわらかい素材のレンズを挿入し、近視や遠視、乱視の矯正を可能にする視力回復手術です。レーシックのように角膜を削ることなく、虹彩と水晶体の間に薄いレンズを埋め込んで光の焦点を矯正するので、角膜が薄い方や強度近視の方にも適応できるのが特徴です。角膜を削らないので、ドライアイなどの合併症が起こりにくいといわれています。
眼内レンズを挿入する際は角膜の縁を約3mmだけ小さく切開し、折りたたんだレンズを眼内に入れます。切開創が小さいため手術後に縫合する必要もなく、眼圧によって自然に傷口が閉じて治癒します。
なお、眼内レンズは半永久的に使用可能ですが、将来的に必要が生じればレンズを取り出すことも可能です。この可逆性(元に戻せること)もICL手術の大きな特徴です。

