ICLはやめたほうがいい?不安を感じる理由と術後の過ごし方

ICLはやめたほうがいい?不安を感じる理由と術後の過ごし方

ICL手術を希望する方が増えている理由


「やめたほうがいい」という意見がある一方で、ICL手術は視力矯正の選択肢として希望する方や実際に受ける方が増えています。これは、ICL手術にはさまざまなベネフィットがあり、信頼を得てきた結果といえます。ここでは、ICL手術が支持される主な理由を4つの観点から解説します。

参照:『JSCRSの調査発表』(JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会))

可逆性がある

第一の理由として挙げられるのが、ICL手術が可逆性を持つ手術である点です。
ICL手術では眼内に挿入したレンズを将来的に取り出したり交換したりすることが可能です。例えば、視力が大きく変化した場合や、加齢に伴う白内障など別の眼疾患で手術が必要になった場合、ICLレンズを取り出して元の状態に戻す対応ができます。

角膜を削って視力を矯正するレーシックでは、一度削った組織を元どおりにすることはできませんが、ICL手術なら状況に合わせて柔軟に対応できるという安心感があります。「もしも」のときに備えたいと考える方にとって、心強い選択肢であるといえるでしょう。

適応範囲が広い

第二に、ICL手術は適応となる屈折度数や目の状態の範囲が広いことが挙げられます。
強度近視や乱視、角膜の厚さや形状などの問題でレーシックが難しいケースでも、ICL手術なら適応できるケースがあります。例えば、レーシックでは角膜を削る量の関係で手術が難しい-10Dを超える強度近視の方でも、ICL手術なら視力矯正が可能な場合があります。

さらに近年では、老眼にも対応した多焦点レンズが登場している点も注目されており、遠くのピントだけでなく近くの見えづらさも同時に改善できる可能性があります。

このように、これまで視力矯正手術が難しかった方にとっても、ICL手術は有力な選択肢となりつつあります。

コントラスト感度が良好

第三の理由は、ICL手術後の見え方の違いです。とりわけ色の濃淡や輪郭の視認性といったコントラスト感度が良好です。

レーシックでは角膜を削る影響で、術後に光学的な歪みが生じ、暗所視力やコントラスト感度がやや低下することがあります。
一方、角膜を削らないICL手術では光学的な歪みが少なく、術後も鮮明でクリアな視界を得やすいと考えられます。レーシック後に生じやすいハロー・グレアのリスクもICL手術では軽減されやすいといわれており、特に夜間の運転や薄暗い環境での見え方が自然であることは、生活の質(QOL)向上につながるでしょう。

身体への負担が少ない

身体への負担が少ない点や眼球組織への侵襲が小さい点も特徴で、手術時間は両眼で30分前後と短く、基本的には日帰り手術(※)で術後の回復も早いといわれています。

※術前検査・術後の経過観察が必要です。

ICL手術を検討する際に大切な判断基準


さまざまなベネフィットがあるICL手術ですが、安全性と満足度を高めるにはクリニック選びと術前検査の質が重要です。適応検査を丁寧に受けることと、経験豊富なクリニックを選ぶことの重要性について解説します。

適応検査を丁寧に受けることの重要性

ICL手術では、手術の適応を慎重に見極めるために事前に適応検査が行われます。適応検査の内容は下記のとおりです。

角膜の厚みや形状

前房の深さ

瞳孔の大きさ

屈折度数の安定性

白内障や緑内障など目の病気の有無

これらの検査によってICL手術が安全に行える条件を満たしているかを確認し、リスクの低減につなげています。
適応検査が不十分なまま手術を行うとレンズサイズのミスマッチや予期せぬ合併症を招く恐れがあるので、ICL手術を検討する際は信頼できるクリニックで丁寧な適応検査とカウンセリングを受けることが重要です。

経験豊富なクリニックを選ぶポイント

ICL手術は専門性の高い手術なので、経験豊富で信頼できるクリニックと医師を選ぶことが成功のカギであるといえます。
経験豊富な医師は術前の適応検査の精度が高く、トラブル発生時の対応力にも優れていると考えられます。

また、手術前のカウンセリングでベネフィットやリスクをしっかり説明してくれるかどうかも重要な判断基準です。術後の定期検診体制が整っているか、緊急時に対応できる環境があるかも確認しましょう。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。