
宮城県石巻地域ですべての高校生が挑戦できる場づくりを行うまちと人とは、石巻市で農作業を通じた就労支援を行いながらクラフトビールを醸造するeach×other(イーチ・アザー)とともに、「高校生がつくるお歳暮セット」を発売。10月10日(金)より予約販売を開始している。
販売元はISHINOMAKI HOP WORKS(イーチ・アザー運営)、協力はまちと人と、石巻市立桜坂高校美術部、シーズ、山形屋商店。
お歳暮セットへ込めた想い
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市では、復興が進む一方で、震災後に育った若者が地元の魅力を十分に知らないまま都市部へと流出し、人口減少が一層深刻化するなか、地域の未来を担う世代の育成が大きな課題となっている。
まちと人とは、震災後から高校生の「やってみたい!」を応援し、若者の挑戦の機会をつくってきた。今回の「高校生がつくったお歳暮セット」の取り組みは、地域の中で若い世代が力を発揮する機会をより多く創出し、地域の人々にも「若い世代にはこんな可能性があるんだ」と感じてもらいたいという思いからスタートした。
お歳暮という形を通して、高校生たちが自ら考え、つくり上げた商品が企業の手に渡り、さらにその先の人に届けられることで、「若い人の力ってすごい」「地域全体で若者と街がつながる機会を作っていこう」といった若者支援への機運をこの町全体に広げたいという願いが込められている。
お歳暮セットができるまで
今年8月、石巻市立桜坂高校美術部員と若手社会人は、津波で甚大な被害があった石巻市北上町の農園を訪れ、ラベルデザインのヒントを探すため、石巻市北上町のホップ畑で収穫体験を行った。

太陽の光を浴びてツルを伸ばしたホップが一面に広がり、緑のカーテンが迎えるホップ畑。高所用の脚立を登り、5メートル近くまで伸びたツルからホップを慎重に摘み取るなかで、参加者からは「こんなに繊細で手間のかかる素材だったなんて」「今日の体験をデザインに落とし込みたい」といった驚きや感動の声があがったそうだ。

ホップは鮮度が命の植物だからこそ、その場でしか味わえない香りや質感を五感いっぱいに受け止める時間となった。

こうして体験した「生きたホップの存在感」が、単なる知識ではなくリアルな実感として、ラベルデザインの大きなヒントになっている。
