
短編ホラーで読者の予想を鮮やかに裏切ってきた三ノ輪ブン子さん(@minowabunko)。代表作「貧女ハウスへようこそ」や「実録怪談 本当にあった怪奇村/新犬鳴トンネル」などで知られる同氏の作品「口裂け女は善いことしたい」は、恐怖より先にコメント欄が大混乱。「待て待て待て!!」「姉さん…かむばーっく!!」「口裂け女ーーッ!!来てくれーーッ!!」と、読者が口裂け女を全力で応援する異例の展開となった。話題作の裏側を聞いた。
■怪異なのに市民を守る仕事!?



物語の舞台は、「KAII(怪異)派遣事務所」。ある日、「子どもたちが道草ばかりして危ないので、まっすぐ帰るようにしてほしい」という依頼が届く。派遣されたのは、おなじみの口裂け女のお姉さん。「わたしキレイ?」と怖がらせて子どもを帰宅させる作戦だったが、相手の少年は全く想定外の行動に出る。スマホを取り出すと、「口裂け女 たおし方」と検索し始めたのだ。しかも、お姉さんはその検索が終わるまで律義に待ってあげるのである。
■最後の一コマで物語が一変!
検索を終えた少年は、自信満々に「ポマード!」と唱え始める。しかし、お姉さんは困り顔で「ぶっちゃけそれ、全然効かないのよね」とまさかの一言。都市伝説のお約束をあっさり否定するシュールなやり取りに笑わされる一方、ラストでは空気が一変。「最後の一コマで物語が変わる」と読者を震え上がらせた。
SNSでは「おやおやおやおや????」「あっ…ああああー…あーっ!」と悲鳴が飛び交い、「待って!!姉さん戻ってきて!!」「口裂け女ーーッ!!来てくれーーッ!!」と、まさかの"口裂け女カムバック運動"が勃発。怪異ではなく読者が大慌てするコメント欄も、本作の見どころの一つである。
■怪異にも社会貢献を
「KAII(怪異)派遣事務所」のコンセプトについて三ノ輪さんは、「『怖がる』ということは『危険を避ける』とも考えられることから、怪異の皆さんに持ち前の『怖さ』を発揮してもらって市民の皆さんを守っていただこう!という趣旨のもとに設立された事務所です」と説明。怖がらせることが目的ではなく、人助けのために怪異が働くという発想が、このシリーズならではの魅力になっている。
■少年の未来は作者にも謎!?
ラストについて、「怪異よりも怖い」という読者の声も多かった本作。あの少年のその後を尋ねると、三ノ輪さんは「そうですね。私も知りたいので、今度、その町に行ったら近所の人に聞いてみます」とユーモアたっぷりに回答した。
さらに、三ノ輪さんは都市伝説漫画「ただのうわさです」の連載もスタート。「有名な都市伝説がいくつも出てきます。この口裂け女のお話のように、都市伝説ファンも今まで知らなかった人も新鮮な気持ちで楽しめるお話をお届けします!」と意気込みを語る。怖さと笑いが絶妙に同居する“三ノ輪ワールド”を、ぜひ体験してほしい。
■取材協力:三ノ輪ブン子(@minowabunko)
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