3. 荷物を減らすための具体的な工夫
荷物を減らすには、道具をただ削るのではなく、「どのように使うか」「どのように選ぶか」という視点を整理することが重要だ。以下のような工夫を意識することで、快適さや利便性を損なうことなく、無理のない荷物の軽量化・省スペース化が可能になる。
● 道具選びの基準を整える
荷物を減らすうえで見逃せないのが、「どんな道具を選ぶか」という点だ。特に有効なのが軽量化だ。軽量なギアは移動や設営の負担を減らし、車に乗せるときも楽になる。

また、収納性に優れた折りたたみ式やスタッキング可能な製品は、限られたスペースでも無理なく収まる。さらに、携行性の高い設計が施された道具は、キャンプ場内での移動や扱いやすさにも直結する。
● テーブルやチェアは人数と動線を考慮する
チェアやテーブルは、使い方に応じて数を調整できる。たとえば、食事用とくつろぎ用に道具を分けると、人数分のセットが必要になりがちだが、使用時間をずらしたり共有を前提にしたりすることで、持っていく数を抑えられる。
ファミリーやグループの場合でも、実際に常時必要な数を見極めれば、大型ギアを減らすことができる。
● 調理器具を目的に合わせて選ぶ

調理器具は特に数が増えやすい。鍋、フライパン、バーナー、まな板などを用途別に揃えると、それぞれが場所を取り、重量もかさむ。実際のキャンプでは、一つのクッカーセットで複数の調理に対応できることも多い。
あらかじめ作るメニューを決めておき、それに必要な道具だけを選ぶようにすると、自然と構成がシンプルになる。
● 食材は下ごしらえして持ち込む

現地での調理時間を短縮し、使用する道具を減らすためには、あらかじめ自宅で食材の下ごしらえをしておくのが効果的だ。カットや下味付けを済ませておけば、現地では最小限の器具で調理が可能になる。洗い物も減り、設営スペースや水の使用量も抑えられる。
● 収納方法そのものを見直す

どれだけ道具を厳選しても、収納の仕方が雑であれば、荷物全体の体積は減らない。形状や使用頻度に応じて分類し、スタッフサックやソフトコンテナなどで効率よくパッキングすることが重要だ。
整理された収納は、積み下ろしや設営・撤収の手間も軽減し、全体の可搬性を高めてくれる。
4. 荷物を減らせるおすすめギア
荷物を減らすためには、道具そのもののサイズや重さを見直すことが効果的だ。軽量性・収納性・携行性に優れた製品を上手く取り入れることで、装備全体をスリムに保つことができる。
ここでは、実際のキャンプシーンに合わせて、荷物の削減につながる代表的なギアとその具体例を紹介する。
● コンパクトで軽量なクッカーセット
調理器具は複数持って行きがちだが、必要最低限の機能を備えた軽量クッカーセットがあれば、調理の幅は十分に確保できる。収納時にスタッキングできる設計のものを選べば、パッキングもスムーズになる。

たとえば、スノーピーク「アルミパーソナルクッカーセット」は、鍋とフライパンを重ねて収納できるうえ、アルミ製で軽く扱いやすい。ソロ〜2人程度の調理に最適だ。
● 折りたたみ式のテーブル
テーブルは、使用時の安定性と収納時のコンパクトさのバランスが重要になる。天板が一枚構造のものや、脚が内側に折りたためるモデルは、荷物のかさを最小限に抑えられる。

SOTO「フィールドホッパー」は、A4ハーフサイズに折りたたみ可能な超軽量テーブルで、展開もワンタッチ。バックパックキャンプにも対応できる省スペース設計だ。
● 軽量な携行用チェア
チェアは一脚ごとに場所を取りがちだが、軽量素材と分解式のフレームを採用したモデルであれば、収納性と快適性を両立できる。

ヘリノックス「チェアゼロ」は、ペットボトル1本分に満たない超軽量で、コンパクトに収納可能。フレーム剛性もしっかりしており、座り心地もよい。
● マルチ機能のランタン
照明器具も数が増えやすい装備のひとつだが、明るさ・電源方式・吊り下げやすさを兼ね備えたマルチ機能のランタンがあれば便利だ。

たとえば、コールマン「クアッドマルチパネルランタン」は、4枚の発光パネルを取り外せる優れもの。発光パネルは携帯もできるので、さまざまな使い方ができる。
● 汎用性の高い収納ボックス
収納ボックスは、荷物の分類だけでなく、サイト内での配置や荷物の積載効率にも大きく影響する。スタッキング可能で、座ったりテーブル代わりに使える頑丈なものが理想的だ。

無印良品「再生ポリプロピレン入り 頑丈収納ボックス 小」は、軽量ながら耐荷重性が高く、フタを閉じればサイドテーブルにもなる。積み重ねも可能で、限られたスペースを有効活用できる。
このように、単に道具の数を減らすのではなく、「軽く・小さく・多用途に使える道具」に置き換えることで、荷物全体のボリュームと重さを自然に抑えることができる。自分のキャンプスタイルに合わせて、こうしたギアを取り入れていくことが、快適なキャンプの第一歩になる。

