いつかの日を期待して
ふと、亡き母のことを考える。
「お母さんは、今、天国から私たちを見て、どんな気持ちでいるんだろう」
きっと、悲しんでいるに違いない。でも、「もう、ほのか。あなたは十分やったよ。あとはあなたの幸せを考えなさい」と、そう言ってくれていたらいいなと思う。
母が遺したお金が結果家族をバラバラにしてしまった。お金の切れ目は縁の切れ目とよく言うが、まさかわが家がこんなことになるなんて。
それから数か月。父は、母を失った悲しみを抱えつつシニア交流会で友人の輪を広げている。今度は料理教室に通うんだとか。母さんの味を再現するから、楽しみしてほしいと言われた。
まなはあれから音信不通である。こんな状況でも、あの子は根っからの悪い子ではないと心のどこかでは思っている。きっと何かしら、自立して生きていく方法を見つけると思う。
それに、まなは後悔もしているはず。この前お墓に行ったら、お花が手向けられていたのだ。母が好きな花だった。知っているのはきっと、私か父か、まなくらいだ。
いつか3人でお墓参りに行けたら…。そんな期待を胸に抱き、私は今日も生きる。
あとがき:そして、それぞれの道
「実の家族が、ここまでクソみたいな結末を迎えるなんて」。ほのかの正直な感想です。しかし、この結末は彼女にとって「終止符」であると同時に、「解放」でもありました。亡き母が遺したお金が、皮肉にも家族をバラバラにしてしまいましたが、それはもともと存在していた亀裂を露呈させたに過ぎません。父は新たな生きがいを見つけ、まなも陰ながら母を想う姿を見せました。血縁という呪縛から解放されたほのかは、初めて自分自身の幸せを考える余裕を得ます。悲劇的な絶縁の先に、いつか和解の可能性を信じ、前を向くほのかの姿で物語は締めくくられます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

