
「私に弟がいた!!」主人公の恵(めぐむ)は家の押し入れで1枚の写真を見つける。その古びた写真には離婚した父と母、そして小さな自分と弟が写っていた。弟がいることに大喜びした恵は、写真の裏に記された住所を元に、弟に会いに行く。しかし、そこには悲惨な現実が待っていた…!!
本作のタイトルは「毒のこども」。作者は、2017年冬期のゲッサン新人賞(小学館)や、2021年5月期の新世代サンデー賞(小学館)で佳作受賞の経歴を持ち、2024年12月まで「DLsite comipo」(viviON)にて「強がりユキヒト君はデレたくないのに」を連載していた漫画家・墨染清(@sumizomesei)さんである。墨染さんに本作について話を聞いてみた。
■「なんでそんなこと言うの?」弟の願いを受け入れられない、恵の複雑な思い



弟との再会をきっかけに、恵は自身と弟の過去と向き合いながら前へ進もうとする。友人には弟について「さっぱり覚えてない」と笑っていた恵だが、その言葉の裏には本当は覚えていたのか、それともつらい記憶を無意識に封印していたのか、気になるところだ。作者の墨染清さんは「恵は弟のことを忘れていたわけではなく、考えないようにしていただけです。"弟の記憶=自分の負の歴史の象徴"だったため、普段明るくふるまっている彼女は、その話題に触れようとしませんでした。誰かに話すことも、自分で思い出すことも避けていたのです」と明かす。
また、本作をはじめ墨染清さんの作品の9割は埼玉県が舞台となっているという。その理由を尋ねると、「埼玉県が好きだからです。一度も訪れたことがないのに、なぜか惹かれるものがあります。東京ほど人が多すぎず、かといって田舎でもなく、適度ににぎわいがありながらも穏やかな空気が流れていそう…。そんなイメージが私の中で定着しており、それが私の描きたい世界観とぴったり合うため、自然と埼玉を舞台にすることが多くなりました」と語る。
読者からは「いい話でした」「ただ一言お姉ちゃんに『よく頑張ったね』と言ってあげたい」といった感想が寄せられている本作「毒のこども」。苦しかった過去、両親との思い出、姉弟の心の機微。胸が締めつけられながらも、二人を応援したくなる物語をぜひ読んでみてほしい。
取材協力:墨染清(@sumizomesei)
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