
ダイアン・津田篤宏が主演を務めるドラマ「タイムトラベルダディ」(毎週土曜深夜0:30-1:00、テレビ朝日系/第4回は深夜1:00より放送)が、8月22日(土)に最終回を迎える。
本作は、妻を亡くし、仕事と育児を一人で背負うシングルファーザー・猪狩喜介(津田)が、ある日突然現れた“未来の自分”と共に、タイムトラベルを繰り返しながら家族のために奔走するタイムトラベル・ホームコメディー。
連続ドラマ初主演となった津田に、主演への率直な思いをはじめ、タイムループを繰り返す複雑な撮影の裏側や、芸人としての経験が芝居に生きた瞬間、作品にちなんだ“もしも”の話などを聞いた。
■津田篤宏、連ドラ初主演に「大丈夫かなっていう心配の方が大きかった」
ーー改めて、連続ドラマ初主演のお話を聞いたときの率直なお気持ちを教えてください。
「ほんまか?」っていうのもありましたし、「大丈夫かな」という心配の方が大きかったですね。
ーー実際に現場に入って、その心配はなくなりましたか?
いや、放送されるまではその心配は拭えず、ずっとドキドキしていました。
ーー今作の脚本を読んで、最初に感じたことはいかがでしたか?
正直、脚本を読んだだけでは理解が追いつかなかったんです。話がぐるぐるしているから。最初のうちは全然つながらず、途中からやっと理解した感じでしたね。すごく複雑でした。
ーータイムトラベルという設定自体も難しかったですか?
難しかった。難しいというか、もう訳分からんと思いながらやっていましたね。
ーー脚本を手掛けた上田誠さんは「津田さんを目掛けて話を考えた」とコメントされていました。演じながら当て書きだと感じた部分はありましたか?
やっぱり「ワーッ!」とか、そういう普段の俺らしい感じが多かったので、そういう意味では「ぽいな」とは思いました。リアクションや、感情がバーッとなるところはすごく似ているなと。
ーー喜介という人物については、どんな人だと捉えて演じていましたか?
ワンチャンパワハラみたいなやつ(笑)。昔ながらの昭和っぽい感じの男って感じですね。
ーーリアクションは津田さんに近いけれど、人物像としては違う部分も多い?
そうですね。僕は人の上に立って仕事するタイプの人間ではないので、その辺はちょっと違いますね。
僕はそんな経験はないんで。まあ、津田軍団の団長ではありますけど。もっと厳しく接してますけどね(笑)。いや、もしかしたら近いかもしれない。接し方によっては嫌われてるかもしれないです。

■複雑なタイムループ撮影に「役とかじゃなく、ずっと疲れてる(笑)」
ーー今回は、同じ喜介をさまざまな時間軸で演じています。演じ分けで意識したことはありましたか?
物語の中でタイムループを繰り返すので、どんどん疲れが出てくる設定だったのですが、順番に撮るわけではなかったので、だんだんややこしくなってきて…。撮影中はずっと疲れている感じでした。役とかじゃなく、ずっと疲れてるという(笑)。
ーー完成した作品をご覧になって、いかがでしたか?
もっと恥ずかしくなるかなと思ったんですけど、意外と見れていると思って。それは良かったです。
何個か「下手くそやな」っていうところはありますけど(笑)。そこはご愛嬌ということで、皆さん優しい目で見てほしいです。
ーー撮影に入るにあたって、何か準備していたことはあったのでしょうか?
どんどん疲れが出る設定なので、ちょっと体重を落としていこうかと思ったんですけど、「あ、そうか。1話目もやらなあかんのや」って。全部撮るのでね。5分で痩せるわけにいかないから、「痩せる必要ないな」と思い直しました。
ーー撮影順も前後する中で、「今の喜介が何周目なのか」を把握するのも大変そうですね。
分かっていなかったですね。「今、何周目の俺のどこのシーンやった?」となって、監督から「ここは何周目なんで、もうちょっと疲れている」と教えてもらっていました。

■芸人として培った“ワーッ!”は「普通の役者さんとは比べ物にならない」
ーー芸人として培ってきた経験が、お芝居で生きたと感じる瞬間はありましたか?
「ワーッ!」となるところは、やっぱり芸人としてやってきたことですし、普通の役者さんの「ワーッ!」とは比べ物にならないぐらい「ワーッ!」ってなってると思います(笑)。
リアクションのところは、ちゃんとできてると思います。
ーー逆に、お芝居だからこその難しさはいかがでしたか?
演技経験がほとんどないので、どういう感情でしゃべるのかを思い切り間違えているときが多々ありました(笑)。
監督から説明してもらって、「ああ、なるほどなるほど」と分かったふりをして。いざ撮る瞬間に「あれ、どうやったっけ?」「なんて言われたんやったっけ?」ということもありましたね。
ーーコメディーでありながら、家族愛もしっかり描かれている作品です。演じながら印象に残った場面はありますか?
娘と息子と土手を歩いているシーンがあるのですが、そこが、我ながらなかなかいい感じやなって思いました。「ほんまに家族っぽく見えるな」みたいなところはありましたね。
ーー共演した皆さんとの撮影はいかがでしたか?
楽しかったですよ。息子役のこうがくん(前山こうが)が、ほんまにかわいらしい天真らんまんな子でね。
正直、スケジュールがすごくタイトで、お昼休憩ではなんとか休みたいと思っていたんですけど、ずっとしゃべりかけてきて。元気な子でしたよ。
お母さんが横にいたんですけど、お母さんが止めへんから「なんで止めへんねん」と思いながら(笑)。でもまあ、楽しかったです。
■「意味のないシーンがない」最終回で明かされる“違和感”の答え
ーー上田さんの脚本は伏線や時間軸の構成も印象的ですが、実際に演じてみて「すごい」と感じた部分は?
第1話の冒頭から全部絡み合っているので、最初は違和感があると思うんですよ。
普通のホームドラマっぽく見えているんですけど、みんなが「何やねんそれ?」と思うところもちゃんと効いているので、意味のないシーンがないというか。それがどんどん明かされていくんで、面白いと思います。
ーー津田さん自身も、完成したものを見て初めて分かったことがありましたか?
分からずにやっていたところもあったので、「ここがこういうことか!」というのもありました。
ーー作品にちなみ、もし本当にタイムトラベルできるなら、過去と未来のどちらへ行きたいですか?
もしタイムマシンがほんまに目の前に来たら、本当に申し訳ないですけど、俺はぶっ壊すかもしれないです。
どっちも変えることはできない。だから、俺はタイムマシンをぶっ壊すと。そこにうんこを乗せて過去に送りますよ(笑)。
ーー過去にも未来にも行きたくない?
後悔もしてませんし、今があるのも全部過去のおかげですから。未来も知りたくないです。
ーーでは、過去に戻るのではなく「あの時の自分に一言だけ伝えられる」としたら?
小学生ぐらいのときに戻って「お母さんの写真いっぱい撮っときや」と言いたいですね。「ウケるで」って。
ーー喜介は“もう一人の自分”と行動しますが、津田さん自身にもう一人自分がいたら、何を任せたいですか?
何やろな…。いや、何にも任せられへん。俺でしょ? 何にも任せられへんな。
まあ、僕は単身で東京にいるので、大阪の方の家族とちょっと接しててほしいなと思います。コピーロボットみたいに、おでこを合わせたら全部共有できるんやったらいいんですけどね。それができひんのやったら、もう一人の俺が現れたら…ぶっ壊しますよ(笑)。
ーー最後に、最終回を楽しみにしている皆さんへ、見どころをお願いします。
第1話から、ちょっとした違和感がいろいろあると思います。それがどんどん答え合わせされていきますので、1話を見たら2話を見ないと、2話を見たら3話を見ないと、という感じになりますし、もう一回1話から見直して、2話も見直して…という感じで。
全4話になっていますけど、見直す回数を入れたら全25話ぐらいになりますね(笑)。それぐらい見返してもいい作品になっていますので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
◆撮影=阿部岳人/取材・文=白瀬あめり

