
イタリア北部の山岳地帯パッソ・トナーレで、湖と音楽を組み合わせた「Water Music Festival」が終盤を迎えている。舞台の一つとなるヴァルビオーロ湖は標高約2050メートル。夏の間は湖面に浮かぶ遊歩道も設けられ、訪れた人は文字通り「湖の上を歩く」体験ができる。
■ 水を主役にした夏の音楽祭
Water Music Festivalは、水という自然資源の大切さに目を向けてもらうことを目的に2021年に始まった。山あいの湖や周辺地域を会場にコンサートを開き、音楽と風景を一つの体験にしている。2026年の音楽プログラムは7月11日から8月22日まで。最終日の22日には、ヴェルミーリオのサン・レオナルド湖で午後8時30分から無料のライブが予定されている。
■ 標高2050メートル、無料で湖面を歩く
ヴァルビオーロ湖には7月3日から9月6日まで浮遊式の歩道が設置され、毎日午前10時から午後4時まで無料で利用できる。湖はプレゼーナ山塊を望む高原にあり、周辺には芝生や木彫りのオブジェもある。2026年夏はリフト更新工事のため湖へは徒歩で向かい、案内されている駐車場所から約20分。音楽祭がない日でも、この仕掛け自体が夏の観光体験になっている。
■ 「見る風景」から「参加する風景」へ
山や湖の観光は、通常なら景色を眺めることが中心になりやすい。しかし浮き橋を歩き、湖畔で音楽を聴く仕組みにすると、自然の中で過ごした時間そのものが旅の記憶になる。しかも遊歩道は無料で、家族でも参加しやすい。
自然保護を訴える催しというと説明的になりがちだが、この音楽祭はまず「楽しい体験」を入口にしているのが特徴だ。絶景、散策、音楽を組み合わせることで、自然への関心を観光の楽しさと両立させている。山岳リゾートが夏の魅力をどう作るかという点でも、興味深い取り組みだ。
なお、最終日に出演するLos Locos Armando’sは、冬の「Paradice Music Festival」で氷の楽器を演奏するParadice Orchestraの中心メンバーでもある。季節ごとに水と氷を異なる形で観光体験へ変えている点も、この地域らしい。

