玉森裕太“祐介”、本来の目的から逸れた記憶改ざんプログラムに加担しながら「どこで間違えた?」と苦悩<マイ・フィクション>

玉森裕太“祐介”、本来の目的から逸れた記憶改ざんプログラムに加担しながら「どこで間違えた?」と苦悩<マイ・フィクション>

記憶改ざん技術が犯罪者に使われていたと知った祐介(玉森裕太)は…
記憶改ざん技術が犯罪者に使われていたと知った祐介(玉森裕太)は… / (C)ABCテレビ

玉森裕太主演の日10ドラマ「マイ・フィクション」(毎週日曜夜10:15-11:09、テレビ朝日系)の第7話が8月16日に放送され、祐介(玉森)の、本来の目的から逸脱した記憶改ざん技術への苦悩、また“伊川正樹”になった経緯が明かされた。(以下、内容のネタバレを含みます)

■ “記憶”に隠された真実をめぐる、予測不能なサスペンス・ラブストーリー

本作は、平凡に暮らしていた男の“記憶”に隠された真実をめぐる、予測不能なオリジナルサスペンス・ラブストーリー。主人公・伊川正樹は、事故に遭い目覚めると、世界が一変。他人が“伊川正樹”として妻と暮しており、妻も同僚も町の人々も正樹のことを覚えていなかった…。その後、自分を取り巻く状況は二転三転。おかしいのは、自分か周りかこの町か。正樹は不可解な状況に追い込まれながらも、真実を追い求めていくと、予想だにしなかった展開が待ち受けていた…。

■記憶改ざんの本来の目的

9年前、ニューロヴァイス社で脳科学の研究をしていた祐介は、マウスを使った実験で記憶を他のマウスに移すことに成功。これで、PTSDに苦しむ人々を救うことができる、と彼はさらに研究にまい進した。

そんなある日、彼は社長から、事故で脳を損傷して記憶障害に苦しんでいるという患者の資料を渡された。その患者は別人として生まれ変わることを望んでいる、とのことだったが、祐介は、まだ充分な検証ができておらず時期尚早だと難色を示した。

すると社長は、「その患者が自分を実験台にしてくれて構わないと言っている。いつまでもマウスを使っていては研究が進まない。これは技術を完成させるための大きな一歩」と、祐介を説き伏せ、彼は着手することにした。

その患者の名前は、室谷隆俊(吉村界人)。室谷は“橘直哉”となり施術は成功。そして、祐介は次々と社長が連れてくる患者に記憶の移植を施していった。

■「どうしてこうなった…?どこで間違えた…?」

それから時が過ぎ、今から2年前。祐介は、友人の刑事・津村(野村周平)が殺してしまった人物が最初の被験者だった室谷だと知り、彼が通り魔無差別殺人の犯人だったこと、また、これまで記憶を書き換えたのもすべて犯罪者だと知ってしまった。

この技術は過去のトラウマに苦しむ人々を救うためのもの…そう信じてこれまでやってきたことが、警察も巻き込んだ犯罪の片棒を担いでいたと知った彼は、社長の裏切りに憤慨。もう手を貸さないと宣言するが、社長は「知った以上、抜けられると思うか?」と脅した。

プロジェクトは秘密裏に進行しているので、世間に知られて祐介が被害を被ることは無く、こちら側に居る限りは安全だ、とのことで、社長は「家族が大事だろ?もはやオマエの意志でどうなるものでもない」と告げた。その時、祐介の脳裏には、泣き崩れる妻・由梨(森川葵)の姿が浮かんでいた…。

「どうしてこうなった…?どこで間違えた…?」…祐介は自責の念を抱えながらも施術を続けるしかなかった。
由梨(森川葵)と賢人(日影琉叶)を守る為、祐介は、ある決断を…
由梨(森川葵)と賢人(日影琉叶)を守る為、祐介は、ある決断を… / (C)ABCテレビ


■“二宮祐介”から“伊川正樹”に…

ある日の施術中、モニターを見ていた祐介は、被験者の脳波に異常があるから見てくる、と言って施術室に入り、そのまま鍵をかけた。そして、眠る被験者を記憶操作の台から下ろし、自分がかわりに横たわった。

そして彼は、「もう手を汚したくありません」と言い、同僚の多田(ジャンボたかお)が止めるのも聞かず、データ転送のボタンを押した。「俺が俺でなくなれば、由梨や息子の賢人(日影琉叶)に危険が及ぶこともなくなる。これでいい…これで…」。こうして祐介は“伊川正樹”となったのだった。

記憶操作ができるのは、祐介だけ。その自分が居なくなれば、プロジェクトは存続不可になる。妻子を“人質”にとられ、自ら降りることもできず、このまま犯罪への加担を続けしかないのならば、2人を守る為には自分が消えるしか彼には方法がなかったのだ。しかし、彼は「本当は、死ぬべきだったのかもしれない」と当時の選択を悔やんでいた、

事態を知った刑事の香坂(国仲涼子)は、「祐介は死んだ」と由梨に報告。多田は、ニューロヴァイスが営む老人ホーム「はるなぎ園」に“正樹”を勤務させ、記憶が戻るかどうか監視することにした。
”二宮祐介”(玉森裕太)を消し、”伊川正樹に…
”二宮祐介”(玉森裕太)を消し、”伊川正樹に… / (C)ABCテレビ


■祐介の記憶が戻ったきっかけ

祐介は、自分が“伊川”になった後のこの2年の様子を香坂に尋ねると、元の記憶が戻ったのは奈々美(宮澤エマ)だけ、と告げた(7年前に、室谷は記憶を取り戻しているが…)。精神的なショックが、記憶を蘇らせるトリガーとなっているようだ。

祐介が記憶を取り戻したのは、実は、奈々美の記憶を取り戻し伊川家を出た真弓を探しに行こうとした時、由梨に「思い出して。帰ってきて。祐介」と抱きつかれた時(※第4話)だったようだ。

彼は、由梨に抱きつかれた時、一気に祐介の記憶が蘇り、「何で…」と呟いていた。この時に全てを思い出したのかは定かではない。
祐介が戻り、幸せな生活が再び始まるのだと喜ぶ由梨(森川葵)だったが…
祐介が戻り、幸せな生活が再び始まるのだと喜ぶ由梨(森川葵)だったが… / (C)ABCテレビ


■記憶が戻っても“正樹”として振る舞い続けた祐介

その後、彼は、奈々美に戻った真弓に気遣いを見せたり、由梨が持ってきた思い出のアルバムを見ても「何も思い出せない」と言ったり…と、徹底して“伊川正樹”として振舞っていた。

その一方で、「ペルソナ・シフト・プログラム」の真相に近づいた津村(野村周平)と辻元(三浦りょう太)を殺そうとしたり、奈々美に「あなたの人生と娘さんを取り戻しに行こう」と言って、香坂に接触するように仕向けて、ニューロヴァイス社に監禁したり、津村に奈々美救出の協力を頼んで彼を施設に連れて行き、注射を打って監禁し、記憶改ざんをしようとしたり…と、なかなかのヒールというか、“悪いヤツ”の様相を呈していた。

元・妻の記憶をさらに書き換えようとしたり、友人の記憶も改ざんしようとしたり…“二宮祐介”という人物は、どのような人間だったのかが気になるところ。帰宅時に「ハイホー」の替え歌を口づさんでいた平和な“伊川正樹”のままでいた方が幸せだったのでは…と思えた。

ただ1つ確かなことは、祐介は由梨と賢人を心から愛していたこと。PTSDから救いたい、と研究を始めたこと、由梨の記憶を改ざんしたこと、由梨と賢人を守る為に自分を消したこと…全ては愛の為だったのだと思わせる描写がいくつもあった。

しかし、今回のラストで、7年前、由梨は津村と結婚するはずだったことが津村の口から語られた。次回、最終回で、その事実を知り、記憶を取り戻した由梨は、このまま祐介を愛することができるのだろうか…。

◆文=鳥居美保

※三浦りょう太の「りょう」は、正しくは「けものへんに寮のうかんむり無し」
津村(野村周平)も奈々美(宮澤エマ)も、「ペルソナ・シフト・プログラム」に巻き込まれた”被害者”だ
津村(野村周平)も奈々美(宮澤エマ)も、「ペルソナ・シフト・プログラム」に巻き込まれた”被害者”だ / (C)ABCテレビ


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