大腸ポリープを早期発見するには? 対応は?
編集部
ポリープを早期に見つけるにはどうすればいいですか?
花田先生
最も有効なのは、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けることです。大腸カメラでは、検査中にその場でポリープを発見し、切除できるのが大きなメリット。便潜血検査も参考になりますが、陰性であってもポリープが見つからないことがあるため、大腸カメラの方が確実とされています。また、大腸カメラは、症状や経過、ほかの検査結果から医師が必要と判断した場合には、保険が適用されます。健診目的で受ける場合には自費になることもあるため、受ける際には医師に相談すると安心です。
編集部
大腸内視鏡は痛いと聞きますが、本当ですか?
花田先生
大腸内視鏡検査は「痛そう」「つらそう」というイメージを持つ人も多いですが、実際には鎮静剤や鎮痛剤を使用することで、リラックスした状態で受けられるようになっています。眠っている間に検査が終わったと感じる人も少なくありません。個人差はありますが、検査時間は通常15〜30分程度で、無理のない方法でカメラ(内視鏡)を挿入するため、多くの人が大きな負担を感じずに検査を終えることができます。
編集部
ポリープが見つかった場合、すぐ切除できますか?
花田先生
多くの場合はその場で切除することが可能です。検査と同時にポリープを切除できるのは、大腸カメラの大きなメリットの一つ。ただし、ポリープの大きさや形、場所によっては、その場では切除せずに日を改めて入院のうえで切除することがあります。
編集部
大腸内視鏡検査を受ける頻度はどれくらいが理想ですか?
花田先生
実際のところ「必ずこの間隔で受けましょう」という決まりはありません。一般的には、早期の大腸がんを切除した人や複数のポリープが見つかった人には、1年後の再検査をお勧めすることが多いです。ポリープを1〜2個切除した人は1〜3年後、ポリープがまったくなかった人は5〜10年後の検査が勧められることもあります。検査の間隔は人によって異なるため、あくまで目安の一つと考え、主治医と相談して自分に合った検査計画を立てることが大切です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
花田先生
大腸ポリープは多くの場合すぐに命に関わるものではありませんが、中には将来的にがんへ進展する可能性をもつタイプもあります。早期に発見して切除することで、大腸がんを予防することができるため、定期的な検査がとても重要です。「ポリープがある」と聞くと不安になるかもしれませんが、正しい診断と適切な対応をおこなえば、心配しすぎる必要はありません。大切なのは、自分にどのようなリスクがあるのかを理解し、医師と相談しながら最適な検査や治療の計画を立てていくことです。 もし不安や疑問があれば、一人で抱え込まずにまず消化器を専門とした医師に相談してください。早めの検査と適切な対応が、将来の健康を守る大きな一歩となります。
編集部まとめ
ポリープが見つかったからといって、すぐに大腸がんを発症するわけではありません。近年では内視鏡の技術も進化し、体への負担が少なくその場でポリープを切除することもできます。大事なのは定期的に検査を受けること。検査のタイミングは家族歴などによっても異なりますから、必ず医師の指示に従って検査を受けるようにしましょう。

