
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、「カドコミ」で連載中の『きみの願いが叶うまで』を紹介する。『ぜんぶきみの性』(共にKADOKAWA刊)で知られる作者の浅月のりとさんが、9月6日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、浅月のりとさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■修学旅行中、クラス全員の性別が入れ替わる

高校生の獅子堂民兎(ししどうみんと)は、修学旅行中に彼女を作りたいと考えおり、神様に「俺と付き合ってくれる女の子どこかにいませんか?」と尋ねながら眠りにつくほど。しかし目が覚めると、まったく別の場所に隔離され、さらにクラス全員の性別が入れ替わってしまう。
翌日になっても性別は元に戻らず、「帰りたい」と思っていても出口がないため、外に出ることも叶わない。外に出るためには、解放条件である“クラス全員の願いを叶える”しかなく…。
本作を読んだ人たちからは、「ギャップがいい」「元の姿も描いてあるの嬉しい」「まだ2日目なのか」「チャラ男がかわいいだと」など、多くのコメントが寄せられている。
[HEAD]作者・浅月のりとさん「自分がイイと思っている魅力を最大限伝えられるように意識」[/HEAD]

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
もともと*TSといわれる性転換をテーマにしたお話が大好きなんです。よくある男の子が女の子になっちゃう女体化だけでなく、女の子が男の子になっちゃう男体化も大好物で。とにかく色んなタイプのTSっ子が描きたいなと考えた結果クラス全員性転換させてしまえばいいのでは…という発想になりました。(*TS=Trans Sexual(トランス・セクシャル)の頭文字。なんらかの要因で性別が転じる作品を「TSもの」と呼称。)
――本作は、特定の1人ではなくクラス全員の性別が入れ替わった点が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
色んなタイプのTSっ子が描きたいという想いから始まったので女体化男子たちの中でも恥ずかしがる子もいれば開放的な子もいます。男体化女子たちもそれぞれ色んなタイプがいるのでそれぞれの反応を楽しみつつお気に入りの子を見つけてもらえればなと思います!
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
気に入ってるシーンは見開きで全員が一斉に性転換するシーンです。さすがにクラス全員は入れられなかったのですがそれぞれのキャラの性転換時の戸惑いや反応を描けたのは楽しかったですね。
――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
自分の「好き」を詰め込むことです。世間的に見ればTSはまだマイナージャンルなのでTSに興味がない方にも魅力が伝わってほしいと思って考えています。性転換したことによる戸惑いとか性転換前後でのギャップとか自分がイイと思っている魅力を最大限伝えられるように意識しています。
――本作では、性別が入れ替わる前と入れ替わった後両方が描かれていますが、作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
これはキャラデザのときに意識したことなんですが、性別が入れ変わる前後でちゃんと面影があるようには意識しました。体格が全然変わっていても髪型や髪色、目つきとかでなんとなく「あ、この子がこうなったんだな」って分かるようには気を付けましたね。自分が性転換前後で面影あるのが好きなのもありますが登場キャラが多いので区別しやすくするためにも意識しました。
――今後の展望や目標をお教えください。
連載を長く続けることが今のところ目標ですね。メインキャラが21人いる漫画なので。主人公だけでなくクラスメイトそれぞれのお話を深掘りするために、とにかく長く続けたいなと思っています!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
『きみの願いが叶うまで』1巻が2025年10月27日に発売されます!気になった方はお手にとってもらえると嬉しいです!!作者のTSへの溢れる愛を詰め込みました。TS好きはもちろん、TSに興味ないよって方にも楽しんでもらえると思うので
まずは1話だけでも読んでみてもらえると嬉しいです!

