メディカルドック監修医が鉄分不足に関連する病気・疾患・多く含む食品などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「鉄分が不足すると現れる症状」はご存知ですか?鉄分が多い食品も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
「鉄分」とは?

鉄分は体内に3g程あるといわれます。血液中のヘモグロビンの構成成分となり、酸素運搬の重要な役割を果たしているのが、その内の約65%です。
食品に含まれる鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。肉や魚などの動物性食品に多く含まれるのはヘム鉄です。
非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれます。鉄分は調理しやすく日常的に摂取しやすい食品です。
また、鉄分の推定平均必要量と推奨量は年齢・性別・ライフステージによって異なります。
成人男性の推定平均必要量と推奨量は以下のとおりです。
18~29歳: 推定平均必要量 6.0 mg/日、推奨量 7.0 mg/日
30~64歳:推定平均必要量 6.5 mg/日、推奨量 7.5 mg/日
成人女性(生理あり)の推定平均必要量と推奨量は以下のとおりです。
18~29歳:推定平均必要量 7.0 mg/日、推奨量 10.5 mg/日
30~49歳:推定平均必要量 7.5 mg/日、推奨量 11.0 mg/日
妊娠中および授乳中では、以下のとおりになります。
妊娠初期:推定平均必要量 9.0 mg/日、推奨量 9.5 mg/日
妊娠中期~後期:推定平均必要量 20.0 mg/日、推奨量 21.0 mg/日
授乳中:推定平均必要量 6.5 mg/日、推奨量 7.0 mg/日
本記事では、鉄分不足の症状を男性・女性別に解説し、その対処法や鉄分豊富な食品も紹介します。
鉄分不足に関連する病気・疾患

鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足することで、赤血球に含まれるヘモグロビンの生成が十分に行われずに発症する代表的な貧血です。その主な原因は次のとおりです。
偏った食生活や胃腸の手術などによる鉄の吸収能力の低下
月経や消化管からの出血による鉄の排出の増加
成長期や妊娠・授乳中の鉄分需要の増加
これらの要因が組み合わさることで、体内の鉄不足が引き起こされます。

