「ウォーキング」は本当に効く?高血圧を改善する【正しい運動法】

「ウォーキング」は本当に効く?高血圧を改善する【正しい運動法】

食事の見直しと並んで、運動習慣の確立と適切な体重管理も本態性高血圧のコントロールに役立つとされています。「どんな運動を、どのくらい行えばよいのか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。このセクションでは、有酸素運動が血圧に与える影響や、体重管理が大切な理由について、日常生活に取り入れやすい視点からお伝えします。

本多 洋介

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

本態性高血圧を生活習慣で下げる方法②:運動と体重管理

このセクションでは、本態性高血圧を下げるための運動習慣と体重管理について具体的に説明します。適度な運動は血圧の低下に寄与するとされており、日常生活に取り入れやすい方法から始めることが重要です。

有酸素運動が血圧改善に効果的とされる理由

本態性高血圧の方に対して、有酸素運動が血圧のコントロールに役立つと広く知られています。ウォーキング、軽いジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、血管の柔軟性を高め、心臓の負担を軽減する効果が期待されています。継続的な有酸素運動により、収縮期血圧(上の血圧)が数mmHg程度低下するとの報告もあります。

運動の強度については、「少し息が弾む程度」が一つの目安です。激しすぎる運動は逆に血圧を急激に上昇させることがあるため、特に運動習慣のない方や血圧が高めの方は、まず軽めの強度から始めることが推奨されます。具体的には、1日30分程度のウォーキングを週5日程度行うことが目標の一つとして挙げられています。毎日続けることが難しい場合は、10分程度の運動を1日に複数回に分けて行う方法でも効果が期待できます。

また、運動を始める前に医師へ相談することが大切です。特に血圧が著しく高い状態にある方や、心臓・腎臓に疾患をお持ちの方は、運動の種類や強度について専門家の指導を受けたうえで取り組むようにしてください。安全な範囲内で運動習慣を身につけることが、長期的な健康管理の基盤となります。

体重管理と肥満解消が血圧に与える影響

肥満は本態性高血圧の重要なリスク因子として位置づけられています。体重が増えると、血液を全身に届けるために心臓がより強く収縮しなければならなくなり、血管にかかる圧力も高まります。また、脂肪組織が増加することで、血圧を上昇させるホルモンや物質が分泌されやすくなるとも考えられています。

体重を適切に管理するためには、食事制限と運動を組み合わせることが基本です。肥満傾向にある方の場合、体重を1kg減らすことで、収縮期血圧がおよそ1〜2mmHg程度低下するとも言われています。過度に急いで体重を落とすのではなく、無理のないペースで減量を継続することが重要です。また、腹囲(おなか周りのサイズ)も健康管理の指標として有用です。内臓脂肪が多い状態は血圧のほかにも、脂質異常症や糖尿病のリスクとも関連するため、総合的な生活習慣の改善が求められます。

さらに、禁煙と節酒も血圧管理に欠かせない要素です。喫煙は血管を収縮させて血圧を一時的に上昇させるとともに、動脈硬化を促進します。アルコールの過剰摂取も血圧を高める原因となるため、飲酒量を適切な範囲に抑えることが望ましいでしょう。これらを一つひとつ見直していくことが、本態性高血圧の改善につながる可能性があります。

まとめ

本記事では、本態性高血圧の基準値・下げる方法・コーヒーとの関係について、食事・運動・体重管理・血圧の数値の理解・治療目標値の確認といった多角的な観点から解説しました。本態性高血圧は自覚症状が乏しいまま進行することが多く、放置すると心臓や血管、腎臓などへの影響が懸念されます。日々の生活習慣を少しずつ見直し、定期的に血圧を測定することから始めてみてください。気になる症状がある方、または血圧の数値が高い状態が続いている方は、早めに内科や循環器内科に相談されることをおすすめします。

参考文献

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」

厚生労働省「高血圧」

国立循環器病研究センター「高血圧について」

厚生労働省「飲酒 | 生活習慣病などの情報」

農林水産省「カフェインの過剰摂取について」

配信元: Medical DOC

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