尿酸値を下げるうえで、食事内容の見直しは欠かせない取り組みです。どの食品にプリン体が多く含まれているのか、何を控えれば良いのか、迷われている方は多いのではないでしょうか。水分摂取の工夫や尿のアルカリ化など、日常の食習慣から実践できる具体的な対策について、わかりやすくご紹介します。

監修医師:
田中 茂(医師)
専門は内科学・腎臓内科・血液透析・腹膜透析・臨床疫学・生物統計学
高尿酸血症を下げる方法①:食事の見直しと生活習慣の改善
尿酸値を安全かつ効果的に下げるうえで、毎日の食事内容の見直しは決して欠かすことのできない最優先の取り組みです。お薬による治療を開始する前はもちろん、服薬中であっても、日常の食習慣を整えることが治療の基本とされています。ここでは、食事面から今すぐ実践できる具体的な対策について分かりやすく解説します。
プリン体の多い食品と控えるべき食材
プリン体を多く含む食品を過剰に摂取することは、直接的な尿酸値の上昇につながります。プリン体含有量が特に高いとされる代表的な食品には、鶏レバーや白子などの動物の内臓類、マイワシやアジの干物(小魚の丸干し)、エビやカツオ節などが挙げられます。これらを日常的に大量に食べることは控えることが望ましいとされています。
一方で、プリン体が少ない食品としては、卵、牛乳・乳製品、野菜類、こんにゃく、豆腐・納豆などの大豆製品(適量)が挙げられます。これらを毎日のメニューへ積極的に取り入れながら、プリン体の多い食品の摂取頻度や量を上手にコントロールするバランス感覚が大切です。ただし、体内の尿酸の約8割は体内の新陳代謝によって産生されるため、単にプリン体を制限するだけでなく「食事の総カロリーを抑えて肥満を解消・予防すること」が尿酸値を下げる本質的なポイントとなります。
なお、清涼飲料水や果物に多く含まれる果糖(フルクトース)は、肝臓で代謝される際に体内の分解を促進し、尿酸の産生を直接引き起こす性質を持っています。そのため、砂糖入りのジュースや缶コーヒー、果物の摂りすぎにも十分な注意が必要であり、清涼飲料水の代わりに水やお茶を選ぶことが強く推奨されています。
水分摂取と尿酸排泄の促進
喉が渇く前に水分をこまめに補給することは、尿酸値を下げ、合併症を防ぐうえで非常に効果的な習慣です。体内の水分量を増やして尿量を増やすことで、腎臓から尿と一緒に排泄される尿酸の絶対量を増やすことができます。1日の尿量を2リットル以上確保することがひとつの明確な目安とされており、そのためには1日あたり2.0〜2.5リットル程度の水分摂取(食事以外の水分補給)が求められます。ただ、1日2Lという目安はあくまで一例です。心不全や腎機能障害がある方は、必ず医師に水分制限の有無を確認してください。
日常的な水分補給としては、お水やむぎ茶などのノンカフェイン・無糖飲料が最も適しています。また、牛乳や低脂肪乳などの乳製品は、含まれるタンパク質(カゼインやラクタルブミンなど)が腎臓からの尿酸排泄を促すことが研究で報告されており、高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインでも日常的な摂取が推奨されています。
コーヒーについても、適量の摂取であれば痛風の発症リスクを下げるとする研究報告がありますが、砂糖やミルクの入れすぎには注意が必要です。
さらに、尿の性質を「アルカリ性」に保つことで、尿の中に尿酸が溶け込める限界量(溶解度)が飛躍的に上がり、体外へ排泄されやすくなることが知られています。尿酸値が高い方は尿が強い酸性に傾いていることが多く、そのまま放置すると腎臓や尿管に結石(尿路結石)が作られやすくなります。ほうれん草やキャベツなどの野菜類、ひじきやわかめなどの海藻類をたっぷりと摂取することで、酸性の尿を弱酸性〜中性(アルカリ化)へ近づけることができます。これは激しい痛みをもたらす尿路結石の予防にも直接つながるため、日頃の食事療法の工夫として大変重要な意味を持っています。
まとめ
高尿酸血症は、自覚症状がないまま進行しやすい状態ですが、食事・運動・水分摂取などの生活習慣の見直しと、必要に応じた薬物療法によって尿酸値をコントロールすることが可能です。尿酸値の目標は6.0mg/dL以下が基本であり、プリン体やアルコールの摂取量を適切に管理することが改善への近道となります。気になる症状や数値の変化があれば、まずは内科などの医療機関に相談することをおすすめします。
参考文献
日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」
厚生労働省「高尿酸血症」
日本腎臓学会「エビデンスに基づく CKD診療ガイドライン 2023」
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