
山田杏奈主演の土曜ドラマ「リラの花咲くけものみち2」(毎週土曜夜10:00-10:45、NHK総合)の第1回「どうぶつの きもち」が8月22日に放送された。ペットの安楽死を決断する飼い主を演じた竹原ピストルと獣医師を演じる山崎静代に、「涙なしでは見られなかった」「いい役者だなぁ」といった声が多数上がっていた。(以下、ネタバレを含みます)
■北海道を舞台に“いのち”と向き合う若者たちの成長物語、Season2はさらに試練が
広大な北海道の大自然を舞台に、獣医師を目指して“いのち”と向き合い続ける若者たちを描いた「リラの花咲くけものみち」(2025年)の続編。第7回未来屋小説大賞に続き、第45回吉川英治文学新人賞をW受賞した藤岡陽子氏の原作を水橋文美江氏、今西祐子氏、木滝りま氏の脚本でドラマ化した。
次々と試練の訪れる現場で少しずつ成長し、大動物(牛や馬などの家畜)の獣医師を志すようになった元引きこもりの少女・岸本聡里(山田)が、周囲の人々と共に“生きる力”や“動物と人間の在り方”を見つけていく物語。
共に獣医学を学ぶルームメイトで「バックヤードから獣医師たちを支えたい」と食品衛生学の道へ進んだ梶田綾華を當真あみ、鳥類学者の父を持つ鳥類オタクで聡里に一目ぼれしていた久保残雪を萩原利久が演じる。
また、北農大学獣医学類の卒業生・加瀬一馬役で佐藤寛太(劇団EXILE)、聡里たちの同級生・柴野真子役で菊池日菜子、ナナカマド動物病院の院長・久恒役で山崎静代(南海キャンディーズ)、聡里の母方の祖母で故人となった牛久チドリ役で風吹ジュン、獣医師・能見正也役で甲本雅裕も前作に続き出演。
そして、さらなる試練の中、聡里を導く家畜保健衛生所の職員・犬飼健太郎を上川隆也が演じる。
■山崎静代“久恒”「命を救う仕事でもあるけど、命の終わりに立ち会う仕事でもある」
聡里がアルバイトするナナカマド動物病院に、野崎(竹原)が「おめでた(妊娠した)みたいなんだ!」と飼い犬・キナコを連れてくる。
以前野崎が避妊手術をさせていたことを覚えていた一馬は、野崎を気遣い、言い出すタイミングを図るが、キナコの腹部に腫瘍があることに気づいた聡里は空気を読まず、「赤ちゃんじゃありません!すぐに検査させてください!!」と言う。
気づかなかったことを深く反省した野崎は、大学病院で検査を実施。腫瘍の位置が悪く手術もできないこと、これからどんどん悪くなる一方で痛みもどこまで押さえられるか分からないということが分かる。
悩んだ末に「キナコを楽にしてあげてください。痛みがひどくなる前に逝かせてあげたい」と、安楽死を選択する野崎。一瞬複雑な表情を見せながらも、その決断を静かに受け入れた久恒。それに対し、聡里は納得いかないという目線を隠さない。
久恒から「獣医師は命を救う仕事でもあるけど、命の終わりに立ち会う仕事でもある。納得できんかったら、当日来なくていいよ」と言われた聡里は、仲間たちに話を聞いてもらい、手厳しい意見をもらう。
その後、子どものいない野崎が、保護犬だったキナコを亡き妻と共に引き取り、我が子のようにかわいがっていたこと、その妻が病気でしんどい思いをしながら亡くなったこと、さらに、力が弱り尻尾で意思を伝えるようになったキナコに安楽死の決断を話したところ、頑固なキナコがそれでも尻尾を振って応えたことを聞く聡里。
「身勝手なことかもしれない。けど、それでも、僕の話に、キナコは、尻尾を…っ」と声をつまらせながら話す野崎に、想像することしかできない自身の亡き飼い犬・パールの思いを重ねた聡里は、野崎をキナコとの最後の散歩に誘う。
キナコを抱きながら白樺の並木道を歩く“散歩”で、亡き妻とキナコの元気だったころの散歩の思い出を振り返った野崎は、「ありがとな…」と繰り返しながらキナコを撫で、一馬と聡里に見守られながら、久恒とともにキナコを旅立たせるのだった。
■竹原ピストル“野崎”に「涙なしでは見られなかった」の声 静ちゃん&キナコにも…
ペットを愛するがゆえ、安楽死という難しい決断をする野崎を演じたのは、解散した野狐禅の元メンバーで、2009年からソロとして活動しているシンガーソングライターの竹原ピストル。
2017年の「NHK紅白歌合戦」で歌唱した「よー、そこの若いの」でも鮮烈な印象を残した竹原は、野狐禅時代から俳優としても活躍。近年はNetflixのドラマ「グラスハート」やフジテレビ系ドラマ「夫婦別姓刑事」にも出演している。
今回竹原が演じた野崎は、昔、キナコに避妊手術をさせていたことを忘れ、動きの鈍さや食欲のなさも妊娠のせいだと思い込んで喜ぶなど、キナコだけではなく本人も少し危うくなっている(が、まだ保ててはいる)様子もうっすらと伝わるリアルな演技。何も説明せずとも、身の回りにも起こりうる現象としての説得感を持たせていた。
これに対しSNSでは「竹原ピストル、洗練されてないけど優しい感情が伝わる演技すごい」「善人でもクズでも、喪失感を抱える寂しいおじさん役がハマり過ぎる」「いい役者だなぁ」「田舎のおじさん似合うなー」といった声が。
また、「ピストルさんの涙や涙で言葉が詰まるような感じは演技なんだろうか。役に入り込んでの感じなのか。どちらにせよ涙なしでは見られなかった」「いい演技するよね」と、竹原の演技に号泣を誘われたというコメントも。
さらに「竹原ピストルさんと南海・静ちゃんの演技が良すぎ。ミュージシャンと漫才師なのに…」「静ちゃんほんとにいい女優さんだな」「さらにそれを上回ったのがキナコちゃん…どうしてそんな表情ができるんですか。その表情を掬い取ったカメラさんも含めて助演女優賞差し上げたい」といった声も上がっていた。
◆文=坂戸希和美

