腟カンジダ症には、外陰部の強いかゆみや白いポロポロとしたおりものなど、特徴的なサインがあります。ただし、見た目だけでは他の感染症と区別することが難しい場合もあります。このセクションでは、代表的な症状の特徴を整理するとともに、市販薬を使用せず医療機関への受診を優先すべき具体的なタイミングと注意点を説明します。

監修医師:
西野 枝里菜(医師)
東京大学理学部生物学科卒
東京大学薬学部薬科学専攻修士課程卒
名古屋大学医学部医学科卒
JCHO東京新宿メディカルセンター初期研修
都立大塚病院産婦人科後期研修
久保田産婦人科病院
【保有資格】
産婦人科専門医
日本医師会認定産業医
腟カンジダ症の治療に使われる薬の種類と特徴
腟カンジダ症の治療には、いくつかの種類の薬が用いられます。医療機関で処方される薬と、薬局・ドラッグストアで購入できる市販薬があり、それぞれに特徴があります。このセクションでは、腟カンジダ症の治療薬の種類と、それぞれの特徴について説明します。
抗真菌薬の種類と作用の仕組み
腟カンジダ症の治療に使用される薬は、「抗真菌薬」と呼ばれるカテゴリーに属します。抗真菌薬はカンジダなどの真菌の細胞膜の成分(エルゴステロール)に作用し、真菌の増殖を抑えることで感染を改善に導きます。
代表的な抗真菌薬の成分には以下のものがあります。
イミダゾール系(クロトリマゾール、エコナゾールなど): 腟錠やクリームとして使用されることが多く、局所に作用します。
トリアゾール系(フルコナゾールなど): 内服薬として使用される成分で、身体全体に作用します。
日本では、医療機関での治療において、腟錠(腟坐薬)を腟内に挿入する局所療法が多く行われています。フルコナゾールの内服薬(経口薬)も使用されていますが、妊婦への使用は避けるべきとされており、医師の判断が必要です。局所療法は腟内に直接作用するため、全身への影響が少ない点が特徴です。
医療機関で処方される薬と市販薬の違い
腟カンジダ症の治療薬は、医療機関で処方されるものと、薬局で購入できる市販薬に大きく分けられます。両者の主な違いを以下に整理します。
医療機関で処方される薬
医師による診断のうえで処方されます。
内服薬(フルコナゾールなど)も含まれ、重症例や繰り返す方に対応しやすいです。
保険適用が可能な場合があります。
市販薬(OTC医薬品)
薬局やドラッグストアで購入できます。
腟錠(腟坐薬)やクリームタイプが中心です。
以前に医師から腟カンジダ症と診断された方を対象としています。
初めての症状の方や妊婦の方は使用できません。
市販薬は手軽に購入できる一方で、使用できる条件が定められています。購入前に薬剤師への相談が推奨されており、適切な使用のためにも専門家のアドバイスを受けることが望まれます。また、市販薬の使用にもかかわらず症状が改善しない場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。
まとめ
腟カンジダ症は、女性であれば誰もがかかりうるありふれた疾患であり、適切な治療によって改善が期待できます。外陰部のかゆみや白いおりものの変化に気づいたら、早めに対処することが大切です。薬の種類や使い方を正しく理解し、症状が続く場合や再発を繰り返す場合は、婦人科や産婦人科などの医療機関に相談することを検討してみてください。日常生活の工夫と適切な治療の組み合わせが、腟カンジダ症との上手な付き合い方につながります。
参考文献
国立感染症研究所「性感染症サーベイランス」
厚生労働省「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」
日本産婦人科医会「女性の健康Q&A」
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