「ビール500ml」は危険?高尿酸血症になりやすい人の飲酒習慣とは

「ビール500ml」は危険?高尿酸血症になりやすい人の飲酒習慣とは

尿酸値をどこまで下げることを目指すべきか、また食事やアルコールの量はどの程度が望ましいのか、具体的な数値を把握しておくと行動に移しやすくなります。プリン体の1日の目安量や飲酒の適正量など、管理の指標となる数値を整理しながら、無理なく続けられるコントロールの考え方をご紹介します。

田中 茂

監修医師:
田中 茂(医師)

2002年鹿児島大学医学部医学科卒業 現在は腎臓専門医/透析専門医として本村内科医院で地域医療に従事している。
専門は内科学・腎臓内科・血液透析・腹膜透析・臨床疫学・生物統計学

高尿酸血症の適正量:尿酸値の目標値と食事・飲酒の量

高尿酸血症の管理において、尿酸値をどこまで下げるべきか、また食事やアルコールの量はどの程度が適切か、具体的な数値を把握しておくことが実践的な行動につながります。このセクションでは、目標値と適正量について詳しく説明します。

尿酸値の目標と管理の基準

薬物療法を含む治療において、尿酸値の目標値は一般的に6.0mg/dL以下とされています。これは、7.0mg/dLを超えると尿酸が結晶化しやすくなることを踏まえた基準であり、余裕を持ったコントロールを目指すためです。特に、痛風発作や尿酸塩の沈着(トファスと呼ばれる皮下結節など)が見られる場合は、5.0〜6.0mg/dL以下を目指すことが推奨されることもあります。
ただし、尿酸値を下げすぎることも問題になる可能性があります。尿酸には抗酸化物質としての働きもあるとされており、過度に低下させることは推奨されていません。通常、2.0mg/dL以上を維持することが一般的な考え方とされていますが、治療方針は主治医の判断のもとで個別に検討されます。
また、無症状の高尿酸血症(痛風発作などの症状がない状態)に対してどの時点で薬物療法を開始するかは、尿酸値の高さや合併症の有無によって異なります。一般的には、尿酸値が8.0mg/dLを超えた場合や9.0mg/dLを超えた場合には、生活習慣の改善だけでなく薬物療法の開始が検討されることがあります。

プリン体の適正摂取量とアルコールの適正量

食事から摂取するプリン体の量については、1日400mg以下を目安とすることが一般的に示されています。これは日本痛風・尿酸核酸学会のガイドラインでも言及されている数値であり、プリン体を多く含む食品の摂取に偏らないよう意識することが大切です。
具体的な食品例として、鶏レバー(100gあたりプリン体312mg程度)や牛レバー(同220mg程度)、干しシイタケ(同380mg程度)、イワシの干物(同305mg程度)などは、少量でも1日の目安に近い量を摂取してしまう場合があります。これらの食品を毎日食べることは控え、食べる際も量を調整することが望ましいとされています。
アルコールの適正量については、純アルコール量で1日20g以下が一つの目安とされています。これを飲料別に換算すると、ビール(アルコール度数5%)なら約500mL、日本酒(15%)なら約1合(180mL)、焼酎(25%)なら約100mL、ワイン(12%)なら約200mLに相当します。もちろん、高尿酸血症の治療中や痛風発作の再発防止を目指す場合は、飲酒を控えるほうが望ましいとされています。

まとめ

高尿酸血症は、自覚症状がないまま進行しやすい状態ですが、食事・運動・水分摂取などの生活習慣の見直しと、必要に応じた薬物療法によって尿酸値をコントロールすることが可能です。尿酸値の目標は6.0mg/dL以下が基本であり、プリン体やアルコールの摂取量を適切に管理することが改善への近道となります。気になる症状や数値の変化があれば、まずは内科などの医療機関に相談することをおすすめします。

参考文献

日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」

厚生労働省「高尿酸血症」

日本腎臓学会「エビデンスに基づく CKD診療ガイドライン 2023」

配信元: Medical DOC

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