母が亡くなって3カ月。初めてのお盆を迎え、私は家族と一緒に実家へ帰省しました。実家に到着すると、まずはみんなで仏壇へ。母に「帰ってきたよ」と心の中で声をかけながら手を合わせ、その後は家族でゆっくり過ごしていました。
母の新盆で起きた不思議な出来事
すると、4歳の次女が突然、「ママー! ばぁば帰ってきたよー!」とベランダを指差し私を呼びました。何だろうと思ってベランダのほうを見ると、そこには1匹の猫がいました。とてもきれいな毛並みをした猫で、娘たちと「かわいいね」と眺めていると、猫はこちらに気づいた様子。
逃げてしまうかと思ったのですが、なぜかその場から動きません。それどころか、私たちのほうへ体を向け、まっすぐこちらを見つめてきたのです。その様子を見ていた、実家で暮らす兄も不思議そうに、「この辺りで猫を飼っている家なんてなかったと思うけどなぁ」とひと言。私も「どこから来たんだろう?」と思っていると、次女が当たり前のことを話すように言いました。
「だって、あの猫ちゃん、ばぁばだもん! ばぁばが帰ってきたんだよ!」
その言葉を聞いた瞬間、私はハッとしました。実は次女は、以前からときどき不思議なことを口にする子でした。亡くなった父の病気が判明したころにも、突然天井に向かって手を振りながら「じぃじ、バイバイ」と言ったことがあります。そんな次女だからでしょうか。今回の「あの猫ちゃんはばぁば」という言葉も、私には不思議とすんなり受け入れることができました。
◇ ◇ ◇
本当にあの猫が母だったのかはわかりません。それでも、母の初盆に突然現れ、逃げることなく私たちをじっと見つめていた1匹の猫。 「みんなに会いたくて、母が姿を現してくれたのかな」私は今でも、そんなふうに思っています。母が亡くなってまだ3カ月。寂しさが消えることはありませんが、あの日の出来事を思い返すと、母が今もどこかで私たち家族を見守ってくれているような気がして、少しだけ心があたたかくなるのです。
著者:秋田ゆうこ/40代女性・会社員/4歳と6歳の娘を育てる母。
イラスト:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)

