
作画:尾花せいご(@seishoobi)さんと監修:西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんによる創作漫画『放課後おまじない倶楽部』は、迷信研究部に入部した少年と、不思議な雰囲気が漂う顧問との日々を描くオリジナル作品だ。
緻密で精細な絵とノスタルジックな絵柄に定評のある尾花さんの作画と、西洋魔術や西洋の魔物、伝承、迷信などの著書多数の西洋魔術博物館さんが監修した多彩な迷信やおまじないのエピソードが大きな魅力となっている同作。エピソードの紹介とともに、監修の西洋魔術博物館さんに作品内で描かれる伝承について詳しい話を聞いた。
■クリスマスに馬がしゃべる!?どこの国にも信じられないような迷信があるよね



西洋の奇妙な迷信を実践する「迷信研究部」。今回のテーマは、馬の頭蓋骨を使うというウェールズの奇習「マリルイド」だ。作品の監修を務めた西洋魔術博物館さんによると、「マリルイド」は18世紀末から行われていた伝承で、その起源は諸説あるという。マリルイドという言葉については「聖女メアリーや灰色の雌馬を意味する説などいろいろです」と教えてくれた。
マリルイドの歌には「さて罪なき友よ、まかりこしたるわれらに一曲歌わせたまえ」という意味もあるそうだ。昔の英国では、馬の骨は比較的手に入りやすく、教会の床下に反響材として並べることもあったという。子供向けにはペーパークラフトのマリルイドを作る場合もあるのだとか。
西洋魔術博物館さんの好きな迷信を尋ねると「クリスマスの晩、牛やロバが一言だけ人間の言葉を話すという伝承があります。牛に「おまえ、言葉をしゃべるのか?」と尋ねると、『はい』と返事をしてそれっきりしゃべらないとか」と教えてくれた。
また、「クリスマスに豆を食べないとロバになる」という迷信もあり、「好き嫌いをいう子供への脅しのような意味があったのでは」と語る。ウェールズの奇習「マリルイド」から広がる、古の信仰と遊び心。現代では考えられないような迷信も当時は本気で信じられていたものもある。信じるか信じないかはあなた次第—— 「放課後おまじない倶楽部」で迷信の世界へ飛び込んでみてほしい。
取材協力:西洋魔術博物館(@MuseeMagica)
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