亜鉛の効果

亜鉛は、300種以上の酵素に関わっていることが知られ、その効果は全身に及びます。
味覚を正常に保つ
舌の上皮細胞には亜鉛が豊富に存在しています。
特に多いのが味を感じる部分である舌表面の「味蕾(みらい)」と呼ばれる部分で、この中には味覚センサーのような役割をもつ「味細胞」があります。
味細胞はとても短いサイクルで生まれ変わっており、この再生に必須とされている成分が亜鉛です。
亜鉛が十分に存在していなければ、味細胞の生まれ変わりが追いつかず、味覚も不安定になってしまうと考えられます。
味覚の異常は亜鉛の不足だけが原因ではありませんが、正常な味覚を維持するには、亜鉛を十分に摂取することも重要であるといえるでしょう。
皮膚や粘膜の健康を保つ
亜鉛は皮膚などの構成成分であるタンパク質の合成にも関わっています。
亜鉛は皮膚や毛髪に存在している成分でもあるため、亜鉛を十分に摂取することで皮膚の炎症やかゆみなどのトラブル、脱毛などの症状を回避できると考えられています。
また、細胞の再生にも関わっているため、傷の治りを早めることにも役立つとされています。
一方、胃や腸など消化管粘膜の健康を保つ作用もあることから、亜鉛が不足すると食欲低下や下痢を引き起こすことが知られています。
体の成長・発育を助ける
亜鉛は子供の成長にも深く関わっています。
成長ホルモンの分泌に関わる栄養素であるため、身長を伸ばすなど子供の成長を促すことに役立つと考えられています。
生殖機能を維持する
亜鉛は特に男性の生殖機能に影響を与えています。
性腺(精巣)の発達や機能に関与しているため、亜鉛が不足すると男性ホルモンの合成や分泌が低下したり男性不妊の原因になったりすることがあります。
免疫機能を維持する
私たちには体内に侵入した病原菌やウイルスなど(抗原)を攻撃したり排除したりするシステム、いわゆる免疫機能が備わっています。
この免疫機能のためにはたらくのが「免疫細胞」と呼ばれる細胞です。
免疫機能を担っている細胞には多くの種類がありますが、亜鉛は免疫細胞のうち「ヘルパーT細胞」の機能に関与しているとされています。
「亜鉛が不足すると現れる症状」についてよくある質問

ここまで亜鉛が不足すると現れる症状を紹介しました。ここでは「亜鉛が不足すると現れる症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
亜鉛が不足したら何を食べたらいいのでしょうか?
佐藤 直美
牡蠣、豚レバー、牛赤身肉、小麦胚芽、油揚げ、カシューナッツ、卵、するめなどです。偏食やダイエットを避け、一汁三菜のような食事を摂るとよいでしょう。
爪で亜鉛不足を判断するには、どんなところをチェックすればいいのでしょうか?
佐藤 直美
爪が欠けやすくもろくないか、爪に横線が入っていないか、爪の周囲が炎症しやすいか、爪が縦に割れてないか、爪に白い部分ができてないかをチェックするとよいでしょう。

