【高血圧】“朝の血圧が高い”は危険?見落としがちな基準値の落とし穴

【高血圧】“朝の血圧が高い”は危険?見落としがちな基準値の落とし穴

「血圧の数値が高めと言われたけれど、どのくらいから問題なの?」と感じたことはないでしょうか。血圧は収縮期と拡張期の2つの数値で表され、それぞれに意味があります。このセクションでは、血圧の基本的な測定方法や、日本高血圧学会が示す診断基準、そして本態性高血圧の定義について、正しく理解するためのポイントをお伝えします。

本多 洋介

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

本態性高血圧の基準値①:血圧の数値と分類の理解

このセクションでは、本態性高血圧における基準値の考え方と、血圧の分類について詳しく解説します。血圧の数値が示す意味を正しく理解することが、適切な健康管理の出発点となります。

血圧の数値が示す意味と測定方法

血圧とは、心臓が血液を全身に送り出す際に血管の壁にかかる圧力のことです。血圧は「収縮期血圧(上の血圧)」と「拡張期血圧(下の血圧)」の2つの数値で表されます。収縮期血圧は心臓が収縮して血液を送り出す瞬間の圧力を示し、拡張期血圧は心臓が拡張(弛緩)して血液を受け取るときの圧力を示します。単位はmmHg(ミリメートル水銀柱)で表されます。

血圧は一日の中でも変動します。起床後の朝の時間帯、活動中、安静時、就寝中など、状況によって数値が変化するのは正常な反応です。そのため、血圧の評価は単一の測定値だけでなく、複数回にわたる測定や異なる時間帯での記録をもとに判断することが一般的です。家庭血圧計を使って毎日同じ時間に測定し、記録を続けることが、正確な状態把握につながります。

測定の際は、座った状態でしばらく安静にした後に行い、測定直前の運動・喫煙・カフェイン摂取は避けることが基本です。また、家庭用血圧計は、心臓と同じ高さで測定しやすく血管が太い「上腕(二の腕)に巻くカフ式」のものが、手首式と比べてより安定して正確な数値が得やすいため、学会のガイドラインでも推奨されています。

高血圧の診断基準と本態性高血圧の定義

日本高血圧学会が示す「高血圧治療ガイドライン」では、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の状態が続く場合を「高血圧」と定義しています。さらに細かな分類として、以下のような区分が設けられています。

正常血圧:収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満

正常高値血圧:収縮期血圧120〜129mmHgかつ拡張期血圧80mmHg未満

高値血圧:収縮期血圧130〜139mmHgまたは拡張期血圧80〜89mmHg

I度高血圧:収縮期血圧140〜159mmHgまたは拡張期血圧90〜99mmHg

II度高血圧:収縮期血圧160〜179mmHgまたは拡張期血圧100〜109mmHg

III度高血圧:収縮期血圧180mmHg以上または拡張期血圧110mmHg以上

本態性高血圧とは、これらの高血圧のうち、明確な原因疾患が見当たらないものを指します。高血圧全体の約90%を占めるとも言われており、遺伝的な素因と生活習慣(食塩摂取、肥満、運動不足、ストレスなど)が複合的に影響していると考えられています。一方、腎臓の疾患や内分泌疾患など特定の病気が原因となる高血圧は「二次性高血圧」と呼ばれ、原因疾患を治療することで血圧が改善する場合があります。

家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上の場合も高血圧と判断される場合があります(家庭血圧の基準値)。医療機関での測定値とは基準が異なるため、注意が必要です。

まとめ

本記事では、本態性高血圧の基準値・下げる方法・コーヒーとの関係について、食事・運動・体重管理・血圧の数値の理解・治療目標値の確認といった多角的な観点から解説しました。本態性高血圧は自覚症状が乏しいまま進行することが多く、放置すると心臓や血管、腎臓などへの影響が懸念されます。日々の生活習慣を少しずつ見直し、定期的に血圧を測定することから始めてみてください。気になる症状がある方、または血圧の数値が高い状態が続いている方は、早めに内科や循環器内科に相談されることをおすすめします。

参考文献

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」

厚生労働省「高血圧」

国立循環器病研究センター「高血圧について」

厚生労働省「飲酒 | 生活習慣病などの情報」

農林水産省「カフェインの過剰摂取について」

配信元: Medical DOC

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