痛風を防ぐ?“2つのタイプ”から選ぶ高尿酸血症の「薬」【医師解説】

痛風を防ぐ?“2つのタイプ”から選ぶ高尿酸血症の「薬」【医師解説】

生活習慣の改善だけでは尿酸値が十分に下がらない場合、薬物療法が選択肢のひとつとなります。尿酸を作る量を抑える薬と、排泄を促す薬では、仕組みも使い分け方も異なります。高尿酸血症のタイプに応じてどのように薬が選ばれるのか、代表的な薬の特徴と注意点をわかりやすく解説します。

田中 茂

監修医師:
田中 茂(医師)

2002年鹿児島大学医学部医学科卒業 現在は腎臓専門医/透析専門医として本村内科医院で地域医療に従事している。
専門は内科学・腎臓内科・血液透析・腹膜透析・臨床疫学・生物統計学

高尿酸血症の薬:種類と仕組み・選択の考え方

生活習慣の改善だけで尿酸値が十分に下がらない場合や、尿酸値が高く合併症のリスクが懸念される場合には、薬物療法が検討されます。高尿酸血症に用いられる薬には、尿酸の産生を抑えるものと排泄を促すものとがあり、タイプによって使い分けられます。

尿酸産生抑制薬の種類と特徴

尿酸産生抑制薬は、体内でプリン体から尿酸が作られる過程を阻害する薬です。代表的なものとして、アロプリノールとフェブキソスタットが挙げられます。
アロプリノールは長年使用されてきた薬であり、キサンチンオキシダーゼという酵素の働きを阻害して尿酸の産生を抑えます。腎機能が低下している方に対しては、投与量の調整が必要になることがあります。一部の方では、重篤な皮膚障害(スティーブンス・ジョンソン症候群など)が現れる可能性があるとされており、開始時には特定の遺伝子検査が推奨される場合もあります。
フェブキソスタットも同じくキサンチンオキシダーゼを阻害する薬ですが、アロプリノールとは化学的構造が異なるため、アロプリノールに副作用が出た方にも使用が検討されることがあります。腎機能が低下している方にも比較的使いやすいとされており、近年は広く処方されています。ただし、副作用としては肝機能への影響や、まれに痛風発作の一時的な増加が報告されており、開始時から少量ずつ使用することが一般的です。

尿酸排泄促進薬の種類と特徴

尿酸排泄促進薬は、腎臓から尿酸を排泄する機能を高めることで尿酸値を下げる薬です。代表的なものとして、ベンズブロマロンとプロベネシドがあります。
ベンズブロマロンは、腎臓の尿細管で尿酸の再吸収を抑制し、尿中への排泄を促進します。排泄低下型の高尿酸血症に対して有効とされており、産生過剰型には適していません。排泄が増えることで尿路結石のリスクが高まる可能性があるため、十分な水分摂取と尿のアルカリ化(尿のpHを上げること)が同時に推奨されます。また、肝機能への影響が報告されており、定期的な肝機能検査が必要とされています。
プロベネシドも同様の仕組みで尿酸排泄を促しますが、ベンズブロマロンに比べて薬の効果の強さが異なるため、使用される場面が異なることがあります。腎機能が著しく低下している場合には、尿酸排泄促進薬の効果が得られにくくなるため、腎機能の状態を確認したうえで選択されます。
薬の選択にあたっては、高尿酸血症のタイプ(産生過剰型・排泄低下型・混合型)や腎機能の状態、合併症の有無、ほかの薬との相互作用などを総合的に考慮することが重要です。自己判断で薬を中断したり増減させたりすることは、症状の悪化や痛風発作の誘発につながる可能性があるため、必ず主治医の指示に従って使用してください。

まとめ

高尿酸血症は、自覚症状がないまま進行しやすい状態ですが、食事・運動・水分摂取などの生活習慣の見直しと、必要に応じた薬物療法によって尿酸値をコントロールすることが可能です。尿酸値の目標は6.0mg/dL以下が基本であり、プリン体やアルコールの摂取量を適切に管理することが改善への近道となります。気になる症状や数値の変化があれば、まずは内科などの医療機関に相談することをおすすめします。

参考文献

日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」

厚生労働省「高尿酸血症」

日本腎臓学会「エビデンスに基づく CKD診療ガイドライン 2023」

配信元: Medical DOC

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