パソコンを使うことで、資料作りや調べ物など、私たちの作業は格段に楽になっています。しかしその一方で、長時間のパソコン作業による体の負担に悩む人も多いのではないでしょうか。現代社会では、マウスによるパソコン作業で肘や肩を痛める人が増えています。今回は、パソコンの使用によって肘や肩を痛める原因や症状などについて、「とだ小林医院」の小林 慎一郎先生に解説していただきました。

監修医師:
小林 慎一郎(とだ小林医院)
昭和大学医学部卒業。その後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室入局。複数の病院勤務を経て、「とだ小林医院」の副院長に就任。数多くの手術経験を活かして、より良い医療を提供できるよう心がける。日本整形外科学会専門医。
編集部
パソコン作業で体が凝ってしまいます。
小林先生
現代社会において、そういう悩みを抱える人は非常に多くいらっしゃいます。パソコン操作の有無にかかわらず、デスクワークを長時間続けていると血行が悪くなり、「筋疲労」が溜まってしまいます。
編集部
座って作業しているだけでも筋疲労になるのですか?
小林先生
そうですね。筋疲労と聞くとスポーツや肉体労働など、体を動かした後に起こるイメージがあるかもしれませんが、じっとしていても起こります。筋肉は動かさないでいると血流が悪くなり、硬くなって凝りが生まれるからです。それに加えて、パソコン操作という動作を続けていると、「パソコン作業に特徴的な症状」が出てくることもあります。
編集部
パソコン作業に特徴的な症状とは?
小林先生
「マウス肘」や「マウス肩」と呼ばれる症状が挙げられます。痛みや凝りだけでなく、動かしにくさや痺れなどを生じることもあります。また、肩や肘だけでなく、手首に症状が表れる「マウス腱鞘炎」と呼ばれるものも出てきています。そして、これらを総称して「マウス症候群」と呼びます。
編集部
パソコンやマウスの使い過ぎで起こる疾患なのですか?
小林先生
基本的にはそうですね。いずれも正式な病名・疾患名ではありませんが、パソコンやマウスの使い過ぎで、似たような症状を訴える人が多いことから、このように呼ばれることがあるのです。
※この記事はMedical DOCにて<その肘・肩の痛み、パソコンの使い過ぎかも!? 「マウス肘」「マウス肩」の症状・対処法を医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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