「脳梗塞」を発症した際に「食べてはいけない3つの食べ物」はご存知ですか?【医師解説】

「脳梗塞」を発症した際に「食べてはいけない3つの食べ物」はご存知ですか?【医師解説】

脳梗塞の原因となる可能性の高い食べ物

脳梗塞が食べ物で直接原因となることはありません。しかしながら、生活習慣病を介して脳梗塞の発症に関わることは十分に考えられます。それでは原因の可能性となる食べ物を話していきましょう。

脂身の多い食肉

はじめは脂質に関係する食品です。3大栄養素といわれる炭水化物、タンパク質、脂質の中で、脳梗塞を考えるうえで、脂質は最も重要です。脂質は身体の中でエネルギー貯蔵に関わるだけでなく、ホルモンの産生に関わったり、細胞膜の形成に関わったり重要な働きを担っています。そのため、毎日摂る必要がありますが、脂質の質と量には気を付ける必要があります。食肉の中でも脂身の多い牛肉や豚肉は飽和脂肪酸を多量に含みます。そのため、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を増やします。その結果として、脂質異常症を引き起こします。LDLコレステロールは血管の壁を障害し、動脈硬化を進行させ、脳梗塞の発症に関わります。脂身の多い食肉を避け、できるだけ赤身のものを選びましょう。どうしても脂身の多い食肉を使う場合は、脂身を切り落としたり、残したりするとよいでしょう。

加工肉食品

前述の脂身の多い食肉に通じますが、加工肉食品にも注意が必要です。ベーコンやソーセージ、ウインナーなどの食品はジューシーさを出すために、脂質が大量に含まれています。飽和脂肪酸も多いため、脳梗塞の原因となります。さらに、塩分も多く含まれます。塩分を大量に摂取すると血圧が上昇します。血圧が上昇すると心臓や血管への負担が増え、動脈硬化が進行します。脂質と塩分が含まれていることで、脳梗塞の原因となりえる食品です。可能な限り避けましょう。近年では、健康志向から、脂質や塩分を極力控えた加工肉食品も出てきています。どうしても摂取する場合は、そのようなものを選択することも一つの手段です。

トランス脂肪酸を多く含む食品

脂質のなかでもう一つ避けるべきものがトランス脂肪酸です。トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸に分類されます。自然界にも微量存在しますが、大部分は食品加工の際に生成されます。このトランス脂肪酸も飽和脂肪酸と同様にLDLコレステロールを上昇させてしまいます。そのため、同様の理由で脳梗塞の原因となりえます。トランス脂肪酸を多く含む食品としては、ショートニングを使用した食品(ケーキやクッキーなど)、揚げ物、スナック菓子、インスタント麺などがあげられます。ショートニングやスナック菓子は避けるようにしましょう。インスタント麺は乾麺や生麺に替えることで脂質を抑えることができます。揚げ物に関しては、エアーフライヤーを用いるなど調理法を工夫しましょう。

清涼飲料水

炭酸飲料などの清涼飲料水には大量の砂糖が使用されています。食事以外に手軽にカロリーが摂れてしまいます。満腹感も得られないので通常の食事に加えて余分なカロリーとなることで、体重が増加し、肥満となります。肥満は様々な生活習慣病や心血管系疾患の原因になります。結果として、脳梗塞を引き起こすといわれます。近年では、ゼロカロリーの飲料も増えています。砂糖ではなく、人工甘味料が添加されています。人工甘味料はカロリーこそありませんが、近年の研究では、インスリンを放出する作用があることが分かってきました。つまり大量に摂ると体重が増えてしまいます。清涼飲料水は避ける、ゼロカロリーの製品も楽しむ程度に摂るようにしましょう。無糖の炭酸水やお茶などが普段の飲み物としては適切です。

高GI値食品

主食として切っても切れない糖質ですが、脳梗塞発症の観点からは注意が必要です。近年では一般にも浸透してきた、GI(Glycemic Index)値に注目します。GI値が高い食品は、摂取後速やかに吸収され、急峻な血糖値上昇を来します。血糖値を下げるために大量のインスリンが放出され、インスリン抵抗性が増えたり、脂質異常症を来したりすることで脳梗塞を引き起こす可能性があります。高GI値食品は精製された小麦からできているパンやパスタ類が該当します。白米も比較的高い食品ですが、我々日本人にとって全く食べないことは難しいでしょう。玄米や雑穀米を混ぜたりするとよいでしょう。量を減らすことも有効です。

「脳梗塞で食べてはいけないもの」についてよくある質問

ここまで脳梗塞で食べてはいけないものなどを紹介しました。ここでは「脳梗塞で食べてはいけないもの」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

脳梗塞の再発を防ぐ食べ物について教えてください。

神宮 隆臣 医師

日本人にとって取り入れやすいものとしては和食です。和食は低脂質でバランスに優れます。魚類も多いので取り入れてみてはいかがでしょう。

脳梗塞の予防や治療中の際に、納豆を食べてはいけないのでしょうか?

神宮 隆臣 医師

ワルファリンを飲んでいなければ制限する必要はありません。

脳梗塞を発症しやすい性格はありますか?

神宮 隆臣 医師

脳卒中の危険因子となるような性格の特性として、神経症傾向が高いことが可能性としてあげられます。神経症傾向とは、気分屋で緊張しやすいというものです。

配信元: Medical DOC

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